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『月刊マクロビオティック』おすすめ記事

コラム:桜沢如一のコトバに学ぶ

「体から届けられる大きな便りと小さな便り」
日本CI協会刊「マクロビオティック誌」連載
2017年1月号掲載(第76回目)
寺子屋TAO塾代表 波多野毅

「誰にも大変カンタンで実用的な方法は、この場合、毎日の排泄物(大小便)の色、形、香り、固さ、量などで見ることです。貴方は、それを触る事もなければ試験管に取って検査する必要もありません。もし貴方の小便が濃い黄色で透明で、貴方の大便が濃い茶色で水中に浮き、長い均等な形をした固い、香りの良いものであるならば、貴方が前の日にとったものが陰陽の見地から良い科学的物理的割合であったということです。もし、それらの色が濃くなければ、陰のファクターをより沢山食べたということです。黄色で透明な小便がすう分の後に濁りを生ずる時は既に多かれ少なかれ重大な病気のある事を示すものです。」(「東洋医学の哲学」)

93年〜94年、米国のクシインスティテュートでスタッフをしているとき、英会話力の稚拙な私は最初、毎日トイレ掃除ばかりをやらされた。しかし、これが有意義な経験、東洋医学でいう4つの診断法「望・聞・問・切」の、さしずめ聞診法の修行となった。マクロビオティックの入門セミナーと上級セミナーの時のトイレの臭いが明らかに違うのに気づいたのだ。

肉や魚は常温に置いておくと腐ってしまうのと同様、体内での消化に時間がかかれば、便は腐敗臭を放つ。一般
的に、約2時間以内に消化される食べ物が消化によい食べ物とされるが、全粒穀物や皮付きの野菜は約1時間、卵は3時間、牛肉は6時間かかる。また、甘いものや冷たいものの摂り過ぎは腸が弛緩して蠕動(ぜんどう)運動が鈍ってしまい便秘に繋がる。腸の蠕動運動を促進するのは副交感神経の働きなので、これまた便秘の原因となる。

日米30万人の胃腸内視鏡検査を行ってきた新谷弘実博士は「毎日ヨーグルトを食べているという人で、よい腸相の持ち主に会ったことはない」と語る。

大便・小便とはまさに字の通り。現代医学のX線、超音波、CT、MRIなど大掛かりな検査でなくとも、毎日身体から無料で大きな便りと小さな便りという形で健康のバロメーターが届けられているのだ。

波多野 毅

波多野 毅 /はたの たけし

1962年熊本県生まれ。一般社団法人TAO塾代表理事・熊本大学特別講師。修士論文のテーマは「食の構造的暴力と身土不二の平和論」。鍼灸学生時代、日本CI協会、正食協会にてマクロビオティックを学び、93年Kushi Institute勤務。著書に「医食農同源の論理」「自遊人の羅針盤」など。

※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。