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『月刊マクロビオティック』2022年11月号特集

特集 日本精神の深層い触れる むすび文化

 

 

神様と結ばれる結び


精麻アーティスト 長坂 茉乎

 

神社とむすび

私の実家は福島県にある延喜式内式の古い神社、金沢黒沼神社です。神社では※大麻を「おおぬさ」と呼びます。

神前に捧げる玉串は、榊に紙垂という特殊な断ち方の紙を結んで垂らしたものですが、大麻で結びます。大麻は注
連縄にも使いますが、注連縄は神域と俗を分け、目に見えない世界(陰)とこの世(陽)を結ぶものであり、陰陽世界を繋ぐ産霊(ムスヒ)でもあります。産霊は産土の神(氏神様)であり、生まれてくる時にこの世と結び助けてくれる神様のことです。日本人にとって、大麻は産霊そのものなのです。

神社の御札に、「大麻」と書いてあることをご存知でしょうか? 伊勢神宮の御札は「神宮大麻」と呼ばれ、天照皇大神宮の御札です。明治以前は、伊勢神宮からの大麻が全国の神社から各家庭に配られ神棚に納めて拝みました。
大麻には捧げ物という意味もありますが、祓い清めの神具でもあるため、祓い所には大麻の注連縄を結びます。

ちなみに、相撲の横綱が身体に結ぶ注連飾りも大麻で、相撲は土地を清める大切な神事、地鎮祭でもあります。このように神社では、自分や家族などの大切な人を守っていただけるように、神様とご縁を結ぶところなのです。

 

結び方には意味がある

神社でよくご覧になる結びは「総角(あげまき)結び」の入型で、ご参拝される方を結び入れるための結び方です。総角結びには入型と人型があり、人型は人が使うものです。戦国時代は兜に結び、結び目が二つ重なる「とんぼ結び」は「勝ち結び」とも呼ばれます。今も伝承されている人型が高松塚古墳に描かれていることには驚きます。

茶道の世界では、毒を盛られないように鍵の役目をしていた「封じ結び」があり、結びは水引き、帯結びなど時代によりさまざまに進化してきたと思います。「結び」なくして語ることができないのが日本文化なのです。

神社で受ける御守りは、二重叶(かのう)結びで結ばれています。叶結びとは表に口の字、裏が十の字になった結び
方で、願いが叶うとされる縁起の良い結びです。左右に輪ができるお守り結びで、その紐を二つ折りにして結ぶと二重叶結びになります。

結び方にもそれぞれ意味があり名前がつけられています。「相生(あいおい)結び」は共に生きることを意味し、共に老いる「相老」の意味も持つ結び方です。「あわじ結び」は、淡路鳴門海峡の渦潮に似ていること、神様への捧げ物
である「あわび」に似ていることが名前の由来とされています。

 

精麻(せいま) 飾り結び

私は、大麻が日本の生活に欠かせないものであることをお伝えするため、祓いの植物である精麻で飾り結びを作る活動をしています。

精麻飾りを作るには、先ずは精麻を縒り合わせて縄にします。陰と陽性を縒り合わせることが縄を綯う作業です。キレイに縒りをかけるために精麻を同じ太さに裂き、全てが中庸になるように同じ力で3本の精麻を三重の螺旋に縒っていきます。

神社で参拝される際にお賽銭を入れて鈴を鳴らすための縄を鈴緒と言いますが、鈴緒も三重螺旋で縒り合わせたものです。神社のお飾りも、注連縄も、三重螺旋で縒り合わせたものですので、神社を参拝の際に見てみてください。

縒り方も神様縒りと人縒りがあり、神様縒りはZ縒り、人縒りはS縒りで縒ります。ご自宅でお正月に精麻飾りを飾るなら、神様縒りに精麻を縒った縄を使います。マクロビオティックで分かりやすく言うと、上からのスパイラルなエネルギーで私たちは結ばれるので、それが神様が降りる場所になります。精麻は古くはなりませんので、お正月が終わっても、御札と同じようにそのままお飾りいただけます。

ワークショップでは、左右のエネルギーで結ぶ、陰(左)と陽(右)を中庸に結ぶようにお伝えしています。どちらかが強いと、綱引きのようにどちらかが負けてしまいます。美しい形にするために、陰と陽を中庸で結びます。精麻飾りを作るには、自然界の流れを縒り、それを結ぶ。マクロビオティックの思考がピッタリなのです。

昔から日本の結びは神様が宿る特別なシンボルとされ、着物には帯に、繋ぎ目がない産着や子どもの着物には背守りとして、結びを付けていました。日本の暮らしの中に産霊が垣間見えますね。

精麻飾り結びを作ると、そのエネルギーが満ちていることを感じます。神様が宿るもののシンボルとして「結び」を身につけてはいかがでしょうか?

※「大麻」は「精麻」のことで、精麻は大麻の茎から取れた皮から表皮を取り除き、靱皮部分を取り出したものです。精麻は日本古代より使われてきた麻の文化です。なお、精麻には麻薬成分はありません。

 

長坂 茉乎/ながさか まこ

マスターコース修了。現在アシスタントとして受講生をサポート中。精麻は日本古来の麻の文化であり、神事に必要不可欠なものであることをお伝えすべく、精麻飾り結びやアクセサリーなどを制作する傍らワークショップを開催。日本人の暮らし方はまさにマクロビオティック。人間も自然の一部であることを大切に過ごしている。

金沢黒沼神社HP
https://www.kuronumajinja.com/

 

 

 

おにぎりとおむすび


マクロビオティック クッキングスクール リマ名古屋校主宰 大島 弘鼓

「握る」と「結ぶ」

「おにぎり」と「おむすび」。同じものを指しているようだが、私の中では少し違う。

「常用字解」(白川静著/平凡社)によると、「握(にぎる)」は、指を折り曲げて強く持つことを言い、掌で握ると書くと、「掌握」という言葉になる。これは、すっかり自分のものにするという意味となる。

それに対して「結(むすぶ)」は糸偏に「吉」と書くが、この「吉」には閉じ込めるという意味があり、結ぶとはそこにある力を閉じ込めるという意味がある。我が国には古代から伝わる呪術があり、それは植物を結び合わせることにより、魂を結び込めて生命の安全・多幸を祈る気持ちの表現であり、「つなぐ、約束する、固める」などの意味に使うと書いてある。

幼い頃、遠足や運動会などの時に母が作ってくれたおにぎりは、プラスチックの三角の型で作られたものだった。だからなのかは分からないけれど、その頃の特別な日のリクエストはいつもサンドイッチだった。

大人になって、栄養士として病院に就職した時、はじめの1年間は、塩分やカロリー制限のある治療食を調理員と一緒に調理することから始まるのだけれど、寝たきりの方や手術後の方のご飯は、小さなおにぎりを2つか3つ作ることになっていて、初日にいきなり「おにぎり作って」と先輩に言われて、思わず「作れません」と答えたことを思い出す。我が家のおにぎりは、型に入れて作る物だったから。

それから毎日仕事と共に修行して、おにぎりは難なく上手に作れるようになっていった。そして、おいしいおむすびのコツも何となく掴めていった。

 

おむすびパワー

子どもたちが生まれ、学校に行くようになると、朝ご飯は毎日のようにおむすびを作ってきた。みんなご飯を炊いておいても食べないけれど、おむすびにしておくとパクパク食べる。そして、おむすびの方が腹持ちが良くて、力が出る。運動会の日は家族全員の分のおむすび7〜8合分のご飯をひたすら結んだのが懐かしい。

「おにぎり」と「おむすび」の違いに気づき始めたのは、子どもがらみの行事の時。子ども会や少年野球、ボーイスカウトなどの会で、時々子どもと父兄とのお食事会があった。一品持ち寄ることになっていたのだけれど、人様のおにぎりを食べたときに、ちょっと驚いた。丁寧に作ってはあるけれど、固く握ってあって、胸に詰まって胃まで入っていかない。急いでお茶を飲み、流し込んだ。

 

心を込める

たかが「おむすび」されど「おむすび」。おいしいおむすびは、炊きたてのご飯を軽く混ぜて、空気を含ませたら、真水でも良いけれど、梅酢を少し入れた水や、塩番茶を手水にして、手のひらに塩をまんべんなくつけ、右手と左手で形を整えつつ、力を入れ過ぎない様にふわっと結ぶ。冷めるとご飯は、縮まるから、力加減が大切になる。形はしっかりしているけれど、噛むと口の中でふわっとご飯粒が拡がっていくように結ぶ。

右手と左手の結び。水をつけて、手塩をつけて、外側は塩味で、その内側はご飯、そしてまん中に塩味のしっかり付いた具を入れる。ここに陰陽陰陽の繰り返しがあり、その対比がおむすび独特の食味となる。手塩にかけて、心を込めて握る。ここにも陰陽の結びがある。結ぶ母の祈りが食べる子どもに伝わる。「安全に、楽しんで、無事に帰って来てね」という祈りが、おむすびに込められる。

 

おむすびにありがとう

子どもたちが思春期となり、反抗的な態度から家で顔を合わすことが無かった時も、食卓におむすびを作っておいて仕事に出た。夕方自宅に戻ると、おむすびはきれいに無くなっていた。おむすびによる安否確認。顔を合わさずとも、何かは伝わっていた様子。

伝える思いに言葉は要らない。特に家族間では、言葉が邪魔をすることもあると思う。そんな時に、おむすびにたくさん助けられてきた。

今も晩御飯の残りご飯をおむすびにする。作っておいて、冷蔵したり冷凍したりして保存して、小腹が空いたときに、軽く焼いて食べている。すると力が湧いてくる。

成人した娘は今でも、私のつくるおむすびが一番おいしい、と言ってくれる。お世辞でも嬉しい。

 

大島 弘鼓/おおしま ひろこ

本校ではマスターコース、インストラクター養成講座を担当。母の影響により、10代の頃より玄米菜食を実践。病院栄養士を経て結婚、3人の子育てをしながら、従来の栄養学的な食生活と、子どもの頃から自宅で食べていたマクロビオティックの食生活をそれぞれ体験、実感してみた後、長年の経験をもとにマクロビオティック講師となり、夫とオーガニックショップ「自然食BIO」を開業。


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