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『月刊マクロビオティック』2021年12月号特集

特集 クッキングスクール リマ 講師座談会

「やっぱり玄米と味噌汁。」

約2年の歳月、世界中の人々が被った災禍は未だ収束したとは言えません。しかし一定の安定が見られ始めたこの師走。パンデミックがもたらしたものはマスメディアが報じるように、果たしてネガティブな側面ばかりだったのでしょうか。

何事にも陰陽の原理が働いています。未来への大きな光明も与えられたと感じている方々も大勢いらっしゃるに違いありません。こうした急激な変化の時代にあって、社会を根底から蝕む深刻なモラルハザードや、人々の健康を害しかねない「食の危機」にも光が当たっています。

そんな中、子どもたちの心身の健康を守るという観点から、「マクロビオティックがどのように貢献できるのか?」

清々しい秋晴れの日、当協会の屋上にて、堅くなりがちなテーマにもかかわらず、クッキングスクール リマ講師の先生方に寛いだ普段着の話し合いをしていただきました。家族の健康を想い、食の基本を学び実践するお母さん方のみならず、多くの方に参考にしていただける内容となっています。楽しんでいただけたら幸いです。

 

子どもの健康


大島:いつも思うのですが、桜沢先生が活動を始めた100年ぐらい前も結核が流行っていたりして、マクロビオティックが受け入れられたのは、やはりコロナ禍のような状況でしたよね。

マクロビオティックはそういう中で発展してきたというベースがあるので、まさしく今、私たちは何が出来るのかなっていつも思っています。マクロビオティックを通じて、この疫病と言われているものにどのようなニーズがあって、どのように皆さんに提案したら良いのかということを。

角元:そういう中で、今のベーシックTコースにはどのような生徒さんがいらっしゃいますか?

櫻井:生徒の皆さんは比較的真面目な方、意識の高い方が多く来られていると思います。今、時代が大きく変わりましたよね。だから、いろんなことを吸収したい、変わりたいと思っているような生徒さんが来られているように感じます。

角元:変わりたいって、ご自身が?

櫻井:自分の生活の仕方を変えたいとか、自分自身の身体やメンタルを健康にしたいとかですね。コロナ禍が日々の食生活を見直すキッカケになったりして、以前は通いたくても仕事が忙しくて通えなかったけれど、時間的余裕ができて今がチャンスだから通っている、という生徒さんが結構増えているように思います。

 

大島 弘鼓(おおしま ひろこ)
クッキングスクール リマ名古屋校主宰。本校ではマスターコース、インストラクター養成講座を担当。母の影響により、10代の頃より玄米菜食を実践。病院栄養士を経て結婚、3人の子育てをしながら、従来の栄養学的な食生活と、子どもの頃から自宅で食べていたマクロビオティックの食生活をそれぞれ体験、実感してみた後、長年の経験をもとにマクロビオティック講師となり、夫とオーガニックショップ「自然食BIO」を開業。

 

大島:角元先生は20年講師をしてこられて、どうですか?

角元:私は子どもを預かる仕事をしていますが、毎年1年生が入って来て、食文化がすごく変わってきていると感じています。気圧が変わって雨が降りそうになると頭が痛くてたまらないという子どもが多いです。それが1年生でも2年生でも。「どんな風に痛いの?」と聞いたら「締め付けられるように痛くて薬を飲まないといけない」という返事が返ってき
たりします。それからなかなか大きな便りが出ない子どもですね。それで「お味噌汁飲もうよ」「ご飯しっかり食べよう」と言えれば良いのですが、そこまでに1年かかるんです。

現状として、今預かっている1年生のある子は全く給食を食べていないんですよ。ご飯の上に何か乗ると食べられないそうで、先生がひじき煮だと良いだろうと思って乗せたら食べられない。

 

角元 康代(かくもと やすよ)
クッキングスクール リマ千葉校主宰。本校では、ベーシックU〜インストラクター養成講座を担当。夫の転勤に伴い、全国を転々とする中でマクロビオティックや天然酵母のパンと出会う。現在は子どもルームにて勤務。「朝はお味噌汁を飲もう!しっかりご飯を食べよう!」と、次世代を担う若い子どもたちへマクロビオティックを伝えるべく奮闘中。

 

大島:何を食べて生きているの?

角元:白いご飯とフライドポテトと唐揚げ。

大島:レンジでチンのお弁当?

角元:その唐揚げも、いっぱい香辛料が入ったもの。

櫻井:私もマクロビオティックを伝える立場になって、子どもやそのお母さんたちの食を変えたいと思ってやってきました。数年前ですが、依頼を受けてマクロビオティックの食事を作りに行ったお宅がゴミ屋敷でした。玄関に入れないぐらい色々な物が溢れていて、床も壁も見えないような状態で。その時は「これでなぜマクロビオティックを?」と驚いて「まずは掃除をしましょうか?」と提案したぐらいです。

その方はシングルマザーで、そのゴミだらけの中に10代前半の娘さんが二人過ごしていて、食卓の上もゴミで埋まっているので、その時はそれらを全部下ろしながら料理をしました。お母さんが普通に食事を作れない社会環境になっているという現実があるのがすごく悩ましいって、打ちのめされた気分になったことがありました。

また、他のお宅での経験ですが、その時はとにかく子どもを見てくれれば良いと言われて、結局は食事を作らなかったんですよね。このご家庭はマクロビオティックに関心を持ちませんでしたので。お子さんを見ていてじゃあお食事はどうするのかと思ったら、毎日コンビニ食ということでした。お母さんとお父さんは子どもと関わりたくなくて、子どもの、まぁ何て言うのでしょう…無視ですよね。子どもとは一言も話さずに、千円札を置いて自分たちは出かけちゃって。

角元:ネグレクト?

櫻井:そうですね。何か虐待を感じてしまったんですけど、「毎晩何を食べているの?」と聞いたら「お父さんがコンビニでお弁当を買ってくる」ということでした。「お母さんはご飯を作らないの?」と聞いたら、お母さんはある時からご飯を作るのを止めたと言っていました。その子はまだ小学生になっていない子だったんですけど…。お母さんにとっては、「なんで自分だけが家事をやらなければいけないの?」というような気持ちがあったようで、お父さんとお母さん
が喧嘩をして、ある時から突然ご飯を作らなくなったと、その子どもが話していました。

私は今まで、まずお母さんたちの意識や食事を変えて、子どもたちの食事をきちんと作ってもらい、心身ともに健康になる手助けができたらと思ってやってきましたが、今はそれが難しい状況になってしまっているのだなと思い、その時はどうしたらいいのだろうと悩みました。

だからある意味、都会の中で子ども食堂とかやって、おにぎりと味噌汁だけでも提供するようなところが増えていくというのはすごく良いことだし、そういう活動を始めていったほうが良いのでは? と今考えています。

 

櫻井 裕子( さくらい ゆうこ)
クッキングスクール リマ 藤ヶ丘校主宰。本校ではベーシックTコースを担当。2006年、妊娠を機にマクロビオティックに出会う。現在3人の子どもをマクロビオティックで子育て中。忙しい方でも無理なく、 楽しく続けていけるシンプルなマクロビオティック料理を目指す。

 

角元:私のところにもそのような子がいたんですが、母さんを変えようというんじゃなくて、その子はご飯が炊ける年齢の子でしたので「ご飯食べてきな、頭が良くなるんだよ、おむすびでも良いから食べてきな」って言ったんです。その子はやっとご飯に納豆をかけて食べてきて、お母さんがおむすびを作ってくれるようになったって。それで給食を食べられなくても、とりあえず米粒は食べている。そうするとちょっとずつ明るさが見えてくる感じで、ご飯を食べていると考えがちょっと明るくなるみたいですよ。そのステップを踏んだら次は味噌汁を飲んで、ご飯を玄米に変えられたら、というレベルです。

大島:ご飯と味噌汁で良いですよね。細かいことは言わないからご飯と味噌汁だけは大事にしてほしい。

角元:ベーシックTコースの櫻井先生と森先生の指導がすごく良いので、ベーシックUコースに来ると生徒さんはご飯がしっかり炊けるの。

私はベーシックUコース担当ですけど、こんにゃくの下処理ができるとか細かいことはどうでも良くて、お味噌汁を飲むというのが結構定着してきているので、とにかくご飯が上手に炊ける、それが本当に嬉しいですよ。

大島:ご飯をちゃんと炊くって、日常を大事に生きるということですよね。

櫻井:そうですね。

角元:ベーシックTにいろんなご飯が出てくるじゃないですか。電気釜でも良いけれども、ご飯を美味しく炊けるようになると、今度は自分にとって土鍋が良いのか、電気釜のままで良いのか、いや圧力鍋で炊いたご飯も美味しかったとか、ベーシックTではそれも分かって貰えるようになって、すごく良いかなと思っているんです。

櫻井:それは良かったです。

角元:ベーシックTでご飯が炊けて味噌汁が作れる。ベーシックUでその復習をしながら、今日の自分の体調はこうだからこれくらいにしとこうかな、ここまで食べても大丈夫かな、というのが分かれば良いのかなと思っています。

私がパン講座をやるのは、マクロビオティックの中でパンの位置付けをしっかり考えてほしいし、パンの時は焼き締めているので汁物が必ず必要です。それで「やっぱり先生、味噌汁にいくのね」って言われて大笑いしていたのですが、今は人数が少ないながらも楽しんでマクロビオティックをしているかな、と思っています。

大島:「なんちゃって」でも良いので続けてほしいですよね。すごく良い考えなのに、目的が終わってしまうと忘れ去られてしまうことも多いので。1つの道具としてそれを使い続けてほしいという気持ちがあるんです。やはり角元先生と同じで。

 

ダイエットと玄米


角元:実は去年やっと車を買いなおしたのですが、ディーラーの女性が若くてすごく美人なのに、ポッチャリだったんです。いくらダイエットしてもリバウントで全部駄目になってしまうそうなので、その女性に「玄米を食べてみませんか?」と言いました。「玄米は何で炊けば良いの?」と聞かれたので「電気釜でいいよ」って。後日、車の1ヵ月点検の時にお会いしたら痩せていたの。

大島:痩せますよね。

角元:1年半経つのですが、この間行ったら分からないくらい綺麗になっていました。すっかり細くなって。

体重が元に戻らないというのもあって、自分で運動して玄米ご飯をしっかり噛んで食べて、お味噌汁を飲んでいるそうです。それで1ヵ月に2s以上は痩せないようにしているっていうのも、自分で考えたみたいなの。マクロビオティックの理論を知らなくてもご飯ってすごいなと思いました。

大島: ご飯が1番痩せますよね。うちの娘もご飯を食べずにおかずだけ食べようとするのですが、「ご飯食べていれば痩せるから」って、いつも言うんです。

櫻井:長女も今中学3年生で体重を気にしています。私は口を酸っぱくして「痩せたいならご飯を中心によく噛んで食べればいいんだよ」といつも言うのですが、ご飯を小さくしておかずをいっぱいにして自分でお弁当を詰めるんです。「それが駄目なんだよ」と思うのですが。

大島:かえって反対になっちゃうんですよね。

角元:でもね、子どもたちの弁当を見ていると、おかずはちょっぴりでご飯をたっぷり持ってきていると、開けた時に恥ずかしいみたい。

櫻井:そうみたいですね。私が作っていた時は6〜7割ぐらい茶色いご飯を敷き詰めていたのですが、子どもが自分で詰めるようになってからはご飯の量をだいぶ少なくしていますね。

角元:そういう時期があってもね。

櫻井:それが女子っぽいみたいなのがあるみたいです。

大島:いかにおかずで太っているかということですよね。食べやすいものは噛む回数が少ないし。

角元:でもね、パンも太る。

大島:本当ですよね。だって、砂糖も油も入るものね。

角元:やっぱり「粒食と粉食の違いじゃないの?」って思います。一物全体で丸ごと摂るのか摂らないのか、桜沢先生の「全体は、部分の総和で得られない働きをする」という言葉があるじゃないですか。

大島:だから白米と糠を炊いても元には戻らないということですよね。

私は、ひらがな食をちゃんと取り入れるようにしてほしい、といつも言っています。カタカナ食になるとすごく太りやすいし、噛む回数が少なくなるので、普通の人にもひらがな食をちゃんと取り入れるようにしてほしいのです。今はエンゲル係数が低い方が貧困で、高い方が豊かな暮らしをしていて意識が高いと言われているらしいですね。

櫻井:娘に「クラスの中で玄米食べている人っているの?」と聞いたら、「私以外に2〜3人いるよ」と言っていました。娘は外で自分のお小遣いで色々買い食いすることに興味津々なので、今まで食べたことがない刺激的なものにもたくさん出会うじゃないですか。今は色々なものを試しては顔にニキビをつくったり、自分の体調を崩しては、こっちに戻ってきたり。あっちいったりこっち行ったりを繰り返して、自分の判断力を身に付けている時間なのだなと思って私も傍観しているんです。

大島:女の子は戻ってきますよ。絶対というか、一度中学高校と離れても、美容のこととか考え出して「やっぱりお母さんが作ってきたご飯だな」と思い返すものです。

櫻井:でも、何か周りからの情報、例えば「先生がお肉を食べないと筋肉ができないって言っていた」と言ってきたり、「友だちがご飯を食べると太るって言っていた」という情報を聞いたりして、自分なりにお母さんの言っていることと、周りの情報が違うという発見をして、自分で色々試して判断している最中なのかなと思います。

友だちとLINEで「DIET(ダイエット)」というグループを作って、毎日自分の食べたものの写真を送り合って食べ過ぎないように励まし合ったりしているんですって。興味があるので「どんなものをみんなが食べているの?」と見てみたのですが、ご飯がないことが多いですね。痩せるためにお米を抜いておかずばっかり。あとは作っていないことが分かる写真だったり。うちだけです、いつも一汁一菜みたいな質素な食事は(笑)。だから、ご飯の存在感が今の若い人の中では薄れてきているんだな、ということがよく分かります。あとはパンも多いですね。

大島:夜でもパンですか?

櫻井:夕飯に「これ食べた」という写真が買ってきたサンドウィッチだったりすることも。

大島:まさしく食の貧困ですよね。

櫻井:そうですね。ただ、面白いです。そういうものが見られて。

 


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