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『月刊マクロビオティック』2021年9月号おすすめ記事

特集「Art and Food 芸術の秋」

日中の暑さも和らぎ、涼しくなった朝夕、草花や木々に露が宿る季節になりました。降りた露は宝石のように美しく輝き、静かに秋の気配が深まっていきます。過ごしやすい陽気となり体への負担が減ると心もまた軽くなり、芸術を楽しむゆとりも生まれてくる季節です。

宮沢賢治は「注文の多い料理店」の序文に「わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいに透き通った風を食べ、桃いろの美しい朝の日光を飲むことができます。(中略)わたくしは、これらの小さな物語の幾きれかが、おしまい、あなたの透き通ったほんとうの食べ物になることを、どんなに願うかわかりません。」と書いています。

桜沢如一は「ノンクレド(信じるな。自ら考えよ)」と云っていますが、芸術表現にもこうした精神の態度は欠かせません。表現を可能にしているものは、受け取った印象をどう扱いどう考えるか、と云うことに他なりません。吸った息は吐き出されなくてはならないように、日々さまざまな印象がもたらされ内部に満ちるとき、それは「自らの考え」に導かれて自ずと発露してくるものであるはずです。そのような意味で、芸術表現もまた、ある意味生理現象と云えるのかも知れません。

今回の特集企画は、多様なアートジャンルの中で、マクロビオティックの実践者でもあるお立場から「アートと食」にまつわるお話をご寄稿いただきました。この季節、美味しいものは食べ物ばかりではありません。あるいは「透き通ったほんとうの食べ物」が見い出せるかも知れませんね。

 

 

マクロビオティックと芸術

創造する喜びの中で

ファゴット奏者 鎌田 紘実

 

手を抜かず手間暇かけて


私と音楽との出会いは、実家がお箏・三弦教室であったため母の手ほどきで3歳からお箏を弾くという、日本の伝統音楽から始まりました。その後ピアノを習い始め、クラシック音楽好きだった父の影響もあって、次第に西洋音楽に興味が湧き、中学校で吹奏楽部に入部して初めてファゴットと出会いました。

当時はまだ珍しい楽器だったので最初は教則本を見ながらほぼ独学でしたが、低音で素朴な音が気に入り、気が付けば専門の大学に進み、一生の友となっていました。

ファゴットは西洋クラシック音楽の木管楽器の中で一番低い音が出る楽器で、木の素材は楓です。「ファゴット」という楽器名は、その形からの命名で薪束という意味です。楽器の先端に発音のためのリードを付けて息で震わせて音を響かせますが、人間の声帯と同じように2枚仕立てのダブルリードが特徴で独特な音色を醸し出します。

リードの素材は水辺などに生えるイネ科の植物「葦」です。音色を決める重要な部分のため、大抵は奏者が自分で手作りしています。季節ごとの気温や気圧、湿度に合わせながら、経験と勘で何日かかけて製作する手間のかかる職人作業です。

マクロビオティックのお料理に例えると、お味噌やぬか漬けなどの発酵食品や梅干しを仕込んだり、美味しい玄米ご飯を炊くために丁寧に籾よりとおがみ洗いをして、状況に合わせた水加減にする作業ととても良く似ています。丁寧に手間暇かければ望む塩梅に近づき、慌てて手を抜くと残念な結果になり、自然の法則通りに進むところも全く同じです。

 

 

インスピレーションが交差する音楽とお料理


体調改善のために始めたマクロビオティックですが、体調が回復すると共に集中力がグンとアップしてきたことに気づきました。以前はコンサートの直前に緊張のあまり逃げ出したい気持ちになる時もありましたが、玄米を100回、200回と噛むごとに頭の中がスッキリするのを実感し、落ち着いて集中力を持って本番の演奏に臨むことが出来るようになりました。自分の中にしっかりした陽性の柱が立ち上がってきたような感覚です。その一方で、演奏中の音の広がりはより広く、音色はより澄んだ音に感じるようになり、曲のイメージから浮かぶ色彩感や抽象画のような情景も、演奏と同時により鮮明に感じるなど、音の響きによる陰性な世界も果てしなく広がっていきました。

このような心身の変化を実感したことで、陰陽調和の食を中心としたマクロビオティックライフがますます面白くなり、やがて音楽の中にお料理のインスピレーションを、お料理の中に音楽表現のヒントを感じるようになっていきました。

音楽家はコンサートの舞台上ではとても華やかに見えるかもしれませんが、それはほんの一瞬の姿で、日常はその一瞬のために地道な練習を延々と積み重ねる日々を過ごしています。技術的に難しかったり、表現に工夫のいる部分をなかなか解決できずに、練習を繰り返しながら悶々としている日々もあります。

マクロビオティック料理にも陰陽調和のための様々な工夫がありますが、それらを習得して日々活かせる様になるには、やはり毎日毎食の実践の繰り返しが大切だと感じます。

家で食事の支度をしている最中、無心になってひたすら野菜を刻み、集中してヘラを動かして炒め物をしている時などに、フッと音楽の練習中に出た問題点を解決するヒントが浮かんだり、また逆に音楽の練習に無心で集中して取り組んでいる最中にフッとお料理レシピのアイディアが浮かんだりするのを繰り返すようになり、何故なのかとても不思議な気持ちになりました。

後に、この様な現象が起きる時に共通している点は「無心で物事に集中している時」ということに気づきました。さらに、その集中力を生むベースには前述した通り「玄米をよく噛んでいただくこと」があり、マクロビオティックの食が、私自身の様々な創造や表現のシーンに繋がっていることを確信しました。

 

 

響き合うマクロビオティック


「お料理は最高の芸術です」という桜沢里真先生の素晴らしいお言葉があります。私はこの言葉をお料理と他の芸術を比較して優劣を述べているのではなく、「マクロビオティックの食が身体だけでなく心や五感をも養う料理であることで、全ての芸術とも共感し合い響き合う世界を持っている」という意味に捉えています。

今後もマクロビオティックライフをベースに、創造し表現する無限の喜びの世界を大いに満喫していこうと思っています。

 

鎌田 紘実/かまた ひろみ

東京藝術大学卒。ファゴットの演奏活動、大学の講師として後進の指導や高齢者施設での音楽療法士の音楽活動の傍ら、クッキングスクール リマ認定インストラクターとしてスタートレッスンや公開講座講師・通常コースのアシスタント・オーサワジャパンの動画、インスタグラムレシピ等を担当。葛ソムリエ取得。趣味は奈良旅行、ガーデニング、映画&絵画鑑賞。

 

 

 

書を通じて感じる陰陽の力

書道家 生野 由美子

 

子どもの頃に始めたお習字を何となく続けるうちに、書写から書道の道に入り、書を通して自己表現をしていく中で、数年前に趣味から仕事の場に身を置き始め、現在に至ります。

書道は集中力を要する作業のひとつで、清書に臨む時には緊張と集中力を強いられた経験が誰しもあると思います。仕事になると、時間の制約が伴った上で、美しさ、正確さを要求されるので、そのハードルは一段と高くなります。

字には自分自身が全て現れると言われ、その意味で「線質」はとても重要視されます。

線質には、その人の気質(性質)、そしてその時々の心身状態等全てが現れるので、常に安定した精神状態を保つ上で、生活習慣、特に食生活は重要な鍵となります。

砂糖による血糖値の乱高下からくるだるさ、免疫を著しく下げる添加物などの化学物質は、集中力を明らかに落とします。ここ一番という時は、玄米菜食のような昔ながらの和食が消化も良く心が落ち着き、パワーの源となります。

肉を食べないと線質が弱くなるのでは? と聞かれますが、玄米菜食のような血糖値の安定した中庸の食事は、精神状態にブレがなくなり、安定した線質の中で自在に強弱がつけられるような気がします。

一般的に、疲れると集中力が落ち、字は大きくなるといわれます。つまり疲労で陰性( 拡散)に傾くことで気分が散漫になり、字が大きくなる。逆にエネルギーのある時は集中力も高く、小さく凝縮した字が躊躇なく書ける。つまり、陽(求心)のエネルギーが集中に導く。

私が書道において座右の銘にしている言葉に「余白の美」というものがあります。字は、小さく書いて大きく見せる事によって余白を作り、その余白が字をより引き立たせるというものです。つまり、中央に凝縮させて書くこと(陽性)が美に繋がり、大きくなって(陰性)余白が減るごとに美から遠のく。その適度な余白を瞬時にはじき出す判断力は、正しく集中力の賜物です。

仕事では常に80%の出来を要求されますが、自分としては常に100%のつもりで臨むべく、陰性に傾かない生活習慣を心がけ、書に臨む日々です。

 

生野 由美子/せいの ゆみこ

クッキングスクール リマ マスターコース修了。美大(短大)卒。都内在住。以前は書道会に属し、現在は筆耕教室に通いつつ、神奈川県の寺院にて、 主にお札・ご朱印・掲示物等の筆耕業務に就く。他に看板・ロゴ等、依頼に応じて作成。添削指導等。20年程前にマクロビオテックに出会ったことをきっかけに、様々な健康法に興味を持ち、実践中。最近の趣味は、神社仏閣巡り。

 


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