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『月刊マクロビオティック』2020年6月号おすすめ記事

桜沢如一の細菌・ウイルスの世界観

特集「桜沢如一の細菌・ウイルスの世界観」

 

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で混乱が続く中、私たちはいつ未知なるウイルスや細菌に直面するかわからない時代になってきました。そもそもマクロビオティックでは、ウイルスや細菌という微生物をどう捉えてきたのでしょう。

今回の特集は、桜沢如一資料室の室長で、クッキングスクール リマの理論講座も担当する高桑智雄先生に、マクロビオティックの創始者 桜沢如一の微生物の世界観をお聞きしました。

 

欧米の細菌学を痛烈に批判した書

 

編集部: 新型コロナウイルスに関して、マクロビオティックではどう捉えるのかという質問が多数寄せられています。桜沢如一先生がウイルスに言及している文献はあるのでしょうか?

高桑智雄室長(以下 高桑):はい、桜沢先生は第二次世界大戦の最中に「パストゥールの審判」(1942年発行)と「バイキンの國探検」(1943年発行)という細菌学に関する重要な2冊の本を残しています。

編集部:なぜ戦争の最中に細菌学の本を書いたのでしょう?

高桑:それは、桜沢にとって世界大戦を起しているのは、いわゆる英国やアメリカを支配するユダヤ金融の兵器大量生産に原因があると見ていたからです。そして、その暴力的な欧米ユダヤ思想の根底に、ウイルスや細菌を「病原体」と見なし攻撃する西洋医学の基本的な姿勢があると考えていたのです。

編集部:現代も特に世界ではウイルスは敵だという風潮がありますね。

高桑:東洋医学の基本姿勢は、微生物もしかり、すべての生き物はこの宇宙を構成する大切な存在で、良い悪いではなく、ただ陰陽があるだけだと捉えます。そういった平和的な東洋思想と暴力的な西洋思想の対比を行っているのです。

編集部:「パストゥールの審判」というのはどんな本なのでしょうか?

高桑:この本は19世紀のフランスの細菌学者、ルイ・パスツール(1822年〜1895年)の伝記を桜沢が東洋医学や陰陽哲学の観点から解説し批判する形式で書かれています。パスツールはロベルト・コッホと共に「近代細菌学の開祖」とされ、牛乳やワイン、ビールの腐敗を防ぐ低温殺菌法やワクチンの予防接種の開発など数々の功績を上げ、人類の恩人とまでいわれた偉大な科学者です。その偉人を「犯罪者」として告発するのですからたいした問題作です。

編集部:どのように批判しているのでしょうか?

高桑:例えば、パスツールはアルコール発酵が酵母の働きで起こること、そしてワインなどが時間が経つと酸っぱく変敗してしまう、いわゆる酢酸発酵が別の微生物の働きであることを突き止めます。そして10年の歳月を費やして、ワインや牛乳などの液体を60度程度で数十分間加熱し、細菌やカビなどの微生物を殺菌する方法を開発します。

しかし、桜沢は無双原理を知っていれば、そんなことはすぐにでもわかると云います。アルコールは陰性なので陽性な球型菌が役に立つし、酸っぱくなるのは陰性な棒型菌の仕業で、陽性な温度に弱いことは当たり前だとします。そして、昔から日本の酒蔵の無名の職人たちは「火入れ」という伝統技法を行っているし、素人でも甘酒が酸っぱくなると温度を上げて発酵を止めることぐらいは、直感的にやっていることだと批判します。

編集部:昔から日本では、発酵は伝統製法や生活の中に根付いていることですからね。

高桑:また、パスツールは当時養蚕(ようさん)業に大打撃を与えていた蚕の微粒子病の予防法を発見します。しかし、パスツールの予防法は、その原因も考えず顕微鏡で微粒子病にかかった蚕の卵を一つひとつ焼き殺していく暴力法でしかないと断罪します。無双原理から見れば原因は蚕の餌となる桑にあり、化学肥料や農薬などの使用によることは明らかだと批判するのです。

 

ワクチン予防接種への批判

 

高桑:今日のワクチン予防接種法の礎を作った狂犬病ワクチンの発見についても、とても辛らつに批判をしながら狂犬病の陰陽論を見事に展開します。桜沢は動物を使って開発するワクチンによって助けられる人間は動物以下の存在であるとし、ワクチン接種という免疫法は中毒症の原理であると看破します。

つまり、甘いものは食べれば食べるほど甘さを感じなくなるのと同じ原理だというのです。甘いものには耐性ができるが、体全体は極陰性な体質になるわけです。

本来は細菌やウイルスに感染しない体質を作ることが先決なのに、ワクチン接種をしてウイルスに慣れるということは本末転倒だと論じます。それでは、ある特定の細菌やウイルスには抵抗ができるかもしれないが、それによって人間の体質そのものが弱くなっていくことになるというわけです。

編集部:当時からワクチン予防接種の危険を指摘しているのは凄いですね。

高桑:そうなのです。よく薬剤で殺菌し続けると、よりその薬剤に強い耐性菌が出現するといわれますが、耐性菌が出現するというよりも、人類がワクチンなどにより特定の細菌やウイルスに慣れることによって人類自体の体質が弱くなり、今まで問題なかった細菌やウイルスが急に害を与えるものとして出現するように見えるのです。

新型コロナウイルスも、その観点で見ればもともと自然界には常在していたと考えることができるし、そういった現象は、今後どんどん起こりえると桜沢は予言していたのです。

 

生命の自然発生説否定の功罪

 

高桑:もうひとつ、マクロビオティックや東洋の生命観と決定的に違う”生命自然発生の問題“があります。パスツールは、有名な「白鳥の首フラスコ」の実験で、生命の自然発生説を否定し、それが西洋科学の定説として長らく定着しました(現在はオパーリン学説などから無機物から有機物が自然発生し、生命発生の起源を探る研究はされている)。

桜沢はそもそも西洋の生命自然発生説の研究は、大自然を瓶の中や壺の中と取り違えているとし、パスツールも全くそれを超える画期的な研究をしたわけではないとします。しかし、パスツールの否定論が、その程度で終わっていれば大した罪にもならなかったのですが、不幸なことにその研究は細菌学を生み、ワクチン免疫学を生むことに至って、遂に人類に未曾有の大害毒を流すことになってしまったと断罪したのです。

編集部:現代医学の主流である「病原説」の礎を確立したのがパスツールだったのですね。

高桑:そうなのです。細菌やウイルスやガン細胞を敵として殺菌や切除し、放射線で焼き尽くそうとして、かえって人類の体質を弱体化させていく西洋医学の矛盾の原点がここにあるので、桜沢は徹底的に攻撃したわけです。

 

「パストゥールの審判」

「パストゥールの審判」
PDF書籍はこちらからダウンロードできます
http://go-library.org/work/0066/

 

冒険活劇「第二の魔法のメガネ」

 

編集部:「バイキンの國探検」はどんな本なのでしょうか?

高桑:この本は、2020年3月号「桜沢如一資料室通信」でも紹介しました。「パストゥールの審判」の翌年に書かれたもので、「第二の魔法のメガネ」と副題がついている通り1940年に発行された「魔法のメガネ」と同様に子どもたちの会話形式で細菌やウイルスの世界をファンタジックな冒険活劇として描写した作品です。

編集部:正食協会で新訂版が出版されていましたが、今は絶版のようですね。

高桑:前半の子どもたちの会話の中で桜沢は人間よりも陰性な極微の細菌やウイルスの世界を面白おかしく描き出しています。

父:(中略)ときに、大體(だいたい)バイキンと云ふのは、一體全體、陰性か陽性か? 大たいあたゝかい國にたくさんゐるんだ。
フジ子:ぢや陰性です。
レオン:支那人だナ……
フジ子:だからお日様の強い光にあふと死んぢやふんでせう。
父:まあさうだ。陰性なものだ
ね、ぢや日光の外にバイキンを殺すものは何がある?
レオン:火だ、火の陽性だ! ジンギス汗だ! それから鹽(しお)、鹽、鹽ッ!
フジ子:レオちやん陽性ね――
もつと静かにするものよ。
父: ぢやバイキンを養つて強くするものは?
レオン:砂糖! おかし! それから、それからクダモノ!
フジ子:お水よ!

「バイキンの國探検」第一章「朝御はん」より

高桑:子どもたちに球菌や桿菌(かんきん)、連鎖球菌、紡錘(ぼうすい)桿菌などにあだ名を付けさせ、細菌の種類と陰陽を紹介しながら、昔の日本には怖しい伝染病はなかったと説明します。それは立派な健康法(身土不二に根ざした伝統的食事)があったからだと。そして、フジ子に云わせます。

フジ子:じや、神様の罰でせう。日本には日本の昔からの食物があるのに外國風なものをたべたから罰があたつたんでしよ。

「バイキンの國探検」第二章「神様の罰でせう」より

そして西遊記を模して、子どもたちが孫悟空、沙悟浄、猪八戒になって、極微の細菌の国を訪ね、擬人化されたチフス菌、赤痢菌、コレラ菌、結核菌、癩菌(らいきん)などと戦いながら、細菌と人間の真の関係性を暴いていきます。

 

そもそも感染症など存在しない

 

編集部:桜沢先生は「バイキンの國探検」の中で、細菌やウイルスをどんな存在だと言っているのですか?

高桑:結局桜沢は、細菌やウイルスそのものに「生きている人」を殺す力などはもともとないというのです。そもそも細菌やウイルスは、この地球の自然循環の中ではなくてはならないもので、それらがなかったら地球は死体だらけになってしまいます。つまり、細菌やウイルスは、もともと「生命をなくしたモノ」を分解し、土に返すという宇宙の秩序の大切な一作用なのだということです。

ですので「感染症」とは、単に細菌やウイルスが、「生きながらにして生命を失っている人」を分解しようとする作用で、その意味では細菌やウイルスが原因となる感染症などないというわけです。

編集部:原因は私たち自身にあって、細菌やウイルスが悪いわけじゃないのですね。

高桑:桜沢は、この本の中で「細菌やウイルスはすでに『いのち』を亡くした人(「宇宙の秩序」、神、命、むすびの原理を忘れたり冒涜したりした人すなわち生ける屍、亡者)をエデンの園に運搬するもの」という辛らつな表現をしています。

 

細菌とウイルスの違い

 

編集部:ところで、新型コロナはウイルスですが、細菌とウイルスの違いを桜沢先生はどう捉えているのですか?

高桑:この本の中で桜沢は、細菌は人間より陰性で、その細菌の中にも無数の陰陽があるとします。大別すれば、球菌と桿菌(棒状・円筒状の細菌)があり、その球菌にもまた陰陽がある。みんな環境次第で陰にも陽にもなると云います。時として顕微鏡にも見えないほど小さく千切れることがあり、それがいわゆる濾過性ウイルスで、ウイルスにももちろん無数の陰陽があると言っています。

つまり「宇宙の秩序」における生命とは、無限から無機物、そして有機物と連続的に自然発生してくるもので、細菌とウイルスを明確に切り離して分類できるものではありません。昨今、腸内細菌の研究で科学的にも善玉菌と悪玉菌があるとされます。これはマクロビオティック的には陰陽があるということですが、ウイルスもまた同じことです。ですから「ウイルス=怖いもの」という価値観は、今はまだウイルスの研究が進んでいないということの現われです。将来的には、ウイルスにも善玉と悪玉があるとされる時代になるでしょう。

 

「パストゥールの審判」

「バイキンの國探検」の初版本(下) と正食協会の新訂版(上)
PDF書籍はこちらからダウンロードできます
http://go-library.org/work/0064/

 

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