日本CI協会はマクロビオティックの創始者桜沢如一によって創設された日本で最も歴史のあるマクロビオティックの普及団体です。

home クッキングスクール イベントのご案内 書籍紹介 ショップ・レストラン情報 リンク アクセス お問い合せ

活動と入会案内

■協会からのごあいさつ
■概要
■理念
■沿革
■『入会のご案内』
■マクロビオティックとは
・辞書で引くと・・・
・桜沢如一・桜沢里真
・コラム
■研修制度

スタートセミナー日程



健康・病院案内

■健康相談
■定期健康講座
■病院案内

月刊マクロビオティック
食養生や料理レシピなど最新情報が満載です。

■最新号目次
■ご入会の案内
■図書館


マクロビオティックWeb

マクロビオティックWeb

マクロビオティック商品の商社オーサワ

マクロビオティック商品の商社オーサワ

リマネットショップ

 

 
Home月刊マクロビオティック > 抜粋記事〜今月のおすすめ記事

『月刊マクロビオティック』6月号おすすめ記事

イギリス・オックスフォードで、GLP-1(食欲を抑えるホルモン)を研究していた糖尿病専門医が肥満治療を語る

「どうして世界中に肥満が増え続けているのか?」

 

世界中で肥満が増え続けています。それに比例して糖尿病も増え続け、世界的な問題になっています。日本人は見た目には肥満の人は少ないと見られますが、医療費で見れば世界5位(3・2兆円)で、日本国内でも糖尿病は大きな問題となっています。今回は、肥満と糖尿病に詳しいシゲトウクリニック院長の重藤誠先生にお話を聞きました。

 

増え続ける肥満

編集部:重藤先生は肥満や糖尿病について詳しいとお聞きしています。先生のクリニックではどのような診察をされているのでしょうか?

重藤誠先生( 以下、重藤):糖尿病の診察は日本バプテスト病院( 京都市)で専門医として行っていて、たくさんの患者さんが来ています。私のクリニックではダイエットを目的とした治療をしています。

編集部:日本人も糖尿病患者が増えていますね。

重藤:もともと日本人は肥満の人が多くなかったのですが、肥満が増えてそれが原因で糖尿病になる人が増えています。人口に対する肥満の割合もどんどん増えてきています。アメリカの後を追いかけているのは間違いないで
ょう。

編集部:日本人は外見上、それほど太っている人はあまり見かけませんが?

重藤:西洋人と日本人では体質が違うので、日本人はそんなに太れない人が多いのです。インスリンは血糖値を下げるホルモンで、インスリンがないと栄養( 糖)を取り込むことはできません。日本人はインスリンが出にくい体質の人が多いので、細胞に過剰にエネルギーを取り込めません。 
 一方、食べ過ぎると血管の中に糖が溜まってしまい、早い段階で糖尿病になってしまいます。逆にインスリンを大量につくれる西洋人はたくさん食べても糖尿病になりにくい代わりに、肥満しやすくなっています。もちろん、西洋人でも、処理能力以上に食べれば糖尿病になります。

編集部:西洋人はインスリンが多く出るけれども、自分の消化能力より多く食べる人が多いということですね。

重藤:そういうことです。なぜ、西洋人はインスリンが出やすいかについてですが、親の世代の( 妊娠中の)栄養
状態に関係しているという説があります。西洋人は戦前もたくさんの動物性脂肪を摂ってきました。それに比較して日本人の戦前までの食事は大変質素だったということです。エネルギーベースが低いだけではなく、肉も油も今ほど食べていなかったのです。
 脂肪の摂り過ぎはインスリンの効きを悪くするので、必要な糖を取り込むために大量のインスリンをつくる必要が出てきます。一方、日本食は低脂肪食なので、インスリンがあまり必要ではなかった。低脂肪食に適応している日本人が、ここ半世紀で急に脂肪を摂りはじめたため、充分なインスリンがつくれない人が増え、糖尿病が増えたわけです。

編集部:歴史的にみてまだ日が浅いから外見上には表れていないのですね?

重藤:おそらく、そういうことです。しかし、これから生まれる子どもは栄養過多に適応しているので、西洋人同様、インスリンをつくる能力が高くなると考えられ、さらに肥満が増えていくのではないかということです。実際にすごい勢いで肥満が増えていますからね。それでもまだ、先進国の中では少ない方ですが、伸び率でみると高いです。

 

食欲を抑えるホルモン

編集部:重藤先生のクリニックで使われている食欲を抑えるホルモン「GLP-1」のことを教えてください。

重藤:「GLP-1 」は誰もが持っているホルモンです。食後に分泌され、全身に良い作用をしますが、主にインスリンの分泌を増やしたり、食欲を抑えて食べ過ぎを防いだりしています。

編集部:そもそもホルモンとはどのような働きをするものなのでしょうか?

重藤:ホルモンは体の中のメッセンジャーといえばわかりやすいでしょう。効率的な情報伝達を体の中でする役目です。ホルモンを出すところとホルモン自体とホルモンを受け取るところがあります。GLP-1 は腸でつくられ、血液を介して膵臓や心臓、脳などで受け取られ、様々な効果を出します。

編集部:GLP-1 を投与するとどのようになりますか?

重藤:生理的に、GLP-1 は脳に作用して食欲を抑えるほか、インスリンを増やしたり、腸の動きを遅くしたりする役割も持っています。長時間効果が持続するGLP-1 を注射することで食欲が抑えられ、満腹感が持続し、少し食べると満足する状態になります。その結果、自然に体重を減らすことができます。合成化学薬品ではないので、自然派志向の方や、妊娠を希望する方にもおすすめできます。

編集部:世界的にも、国内でもこれほど糖尿病が増えているのは何が原因でしょうか?

重藤:様々な原因がありますが、やはりいつでも好きなだけ食べることができる環境でしょう。便利になり過ぎてあまり動かなくて済むようになったことも影響していると思います。

 

加工度の高い食品を避ける

編集部:糖尿病はどうすれば減らすことができるのでしょうか?

重藤:やはり、食生活を変えるしかないと思います。私は、その人のライフスタイルに合った現実的な食事を指導しています。一番大切なことは加工食品をできるだけ避けることです。食品は手を加えるほど栄養価が減りますし、保存や見た目をよくするための化学的な添加物の種類と量が増えます。袋を開けてすぐ食べられるような食品が病気を引き起こすのです。

編集部:先生のおっしゃる通りですね。残念ながら現実は加工食品が増えています。

重藤:そうですね。悲しい現実ですが、糖尿病で治療する患者さんの多くは手軽に食べられるインスタント食品を多く摂っています。私はそういう食生活をしている人に、まず加工度の高い食品を摂らないように指導しています。つまり、できるだけ原料に近いものを選ぶということです。
 理想は、自分で食材を買ってきて料理することでしょう。自分で料理することは、不自然なものが余計に入らないという意味でも、より健康的です。絶対に食べてはいけないものはありませんが、科学的に体に悪いことが明らかになっている加工食品として、ハムやソーセージ、スナック菓子などがあります。精製糖も可能な限り避けたいですね。

 

理想的なのは穀菜食

編集部:今、話題になっている糖質制限食についてお聞かせください。

重藤:日本では最近、糖質、つまり炭水化物が悪者とされている風潮がありますが、私は人間は穀物を主体とする食事をすべきだと考えています。最初に食べ物を口にしたとき、唾液が多く出ますね。唾液はアミラーゼというデンプンを消化する酵素を多く含んでいて、デンプンを分解して糖質に変えます。唾液にアミラーゼが含まれている動物がほとんどいないことからも、人間の主食がなにか分かると思います。
 世界的にも未精製の穀物を摂ることで病気を予防し、寿命を伸ばすことがわかっていますので、穀物を摂らずに肉を摂る方法は、長期的にみると健康を害する可能性が高いでしょう。肉食文化のアメリカですら、糖質制限は廃れてきています。

編集部:お米をしっかり食べたほうがよいということですね。

重藤:消化管の酵素の出方を見ると人間は糖質を消化するようにできています。代謝の流れをみても、生化学的にみても糖が中心となっています。
 ヒトは数十万年前に火を使うことによって、栄養を効率よく摂れることができるようになりました。そして、およそ1万年前に農業革命が起こって穀物を主食にすることで、より安定して食糧を得ると同時に、文化、文明が発展しました。おそらく、穀物に含まれる炭水化物が使えるようになったことで、脳が糖を利用しやすくなり、知性が発達したのだろうと、私は考えています。

編集部:炭水化物が大切だということはよくわかりました。炭水化物といっても色々なものがありますね?

重藤: まず、精製されているものと精製されていないものでずいぶん違います。特に砂糖や粉ものは加工されていますし、吸収が良過ぎて血糖値を急激に上昇させます。これは、糖尿病の診療をしているとよくわかります。この不自然な血糖の動きが健康に悪影響を与えているのは明らかです。糖質制限というのは、こういった一部分だけをみて炭水化物が悪いと言っています。
 食物繊維も炭水化物で、健康のためには非常に重要ですし、食物繊維が多い根菜も避けようという方法論がよいとは思えません。それに、炭水化物を減らす=タンパク質と脂質を増やすということですから、インスリンが効きにくくなって、返って病気になりやすくなります。
 私は日本人にとって理想の食事は日本の伝統食、つまり玄米を主食とした穀菜食だと考えています。長い間続いている食事ですし、しっかり統計も出ていて一番信頼性も高いです。ほんの100年前の食生活をみてもわかりますが、日本人は明治になってから肉を食べ始めました。ビタミンB12を摂るのに動物性食品が必要なので、全く摂らないというのも問題ですが、毎食肉を食べていたら病気になります。

 

【1】【2】【次ージ】

ご購読