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『月刊マクロビオティック』5月号おすすめ記事

【「あなたと健康」45周年 東城百合子先生に聞く】

『自然の恵みを知り、命の根源をみる』

身生涯を健康運動に捧げる生き方

 

月刊誌「あなたと健康」(あなたと健康社発行)は、今年で45周年を迎えます。昭和48年に東城百合子先生ご自身が始め、自然から生かされていることの大切さを伝え続けています。

今回はお祝いのため、あなたと健康社を訪ね、クッキングスクール リマ川内翔保子主任講師とともに、92歳となられた東城百合子先生の長年の御功績についてお話を聞かせていただきました。

 

健康運動のきっかけ

編集部:本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。そして「あなたと健康」45周年、まことにおめでとうございます。

川内翔保子(以下、川内):私も東城先生には昔お目にかかったことがありますが、直接お話をお聞きするのは本日が初めてです。どうぞよろしくお願いいたします。
 45周年と伺いました。今までどのような想いで活動されてきたのかお聞かせください。

東城百合子先生(以下、東城):自然療法はW・Hミラー先生( ※1)から教わりました。ミラー先生は栄養学に精通しておられ、台所こそ人生の薬局なので、料理を工夫し、行動して努力することで人生は開かれると言っておられました。
 私は24歳の時に肺結核になって死にかけたんです。医者から「とにかく栄養をつけなさい」と言われ、栄養士だった私は高タンパク高カロリーの動物性のものが良いと思い食べていましたが、一向に良くなりませんでした。ミラー先生は、タンパク質は肉からではなく大豆から摂るのがよいと言われていました。そのときに兄の友人の医者が、腎臓結核で死にかけた時に玄米菜食で治ったという話を聞きました。それで玄米菜食を始めると私の病気が治りました。この体験から健康運動を始めたのです。

 

物事の「根」を見つける

編集部:常岡一郎先生(※2)との出会いはどのようなきっかけがあったのでしょうか?

東城:私は生きていく上で大切なことを常岡一郎先生から直接教えをいただきました。常岡先生はとても大きな視野を持った思想をお持ちで、私の人生の師です。常岡先生との出会いは運命的と言ってもよいほどです。
 昭和47年にそれまで健康運動を一緒にしてきた夫が家庭を捨て、別の女性と一緒になってしまった時でした。夫は
私や家庭を捨て、私は苦悩し、血を吐く思いをしましたが、この苦悩で大きな力をいただいたと思っています。

川内:家庭をお捨てになられたご主人様のことをよく恨みになりませんでしたね? 

東城:夫婦は一体なのに夫は子も妻も捨て出て行った。でも、その半分の責任は私にもある。そこのところが他の人と違うのかもしれません。
 「あなたと健康」の料理教室でも何かを恨んでいたり、損得で考えている人がたくさんいます。それが世の常だと思いますが、マイナスをプラスにしないと道は拓けません。夫婦は一体で血を繋いでいくものです。しかし、私はどうしてこういう結果になったのか分かりませんでした。
 そんなときに郵便受けに入っていたのが、常岡先生が創設された修養団体の月刊誌「中心」でした。これはまさに縁です。天の力が動いたのだと思って、この本の中で紹介している先生の著書を取り寄せて必死に泣きながら読みました。

川内:本当にそのようなご縁があるのですね。驚きました。

東城:実は私は以前、常岡先生のお話を聞いたことがありました。主人と始めた「栄養と健康」が5周年の時に常岡先生が来てくださって、「日本はこんなにも素晴らしい国だ」という内容のお話をされ、私は涙しながら聞きました。
 そのときのことを思い出し、私は常岡先生に学ばなければならないと決心し、手紙を書きました。本名を書くと夫を知っているので( 講演などをしているので)素性が明らかになると思い、別姓で住所も明確にしないで手紙を書いたと思いますが、常岡先生はなんとか調べあげたのでしょう。すぐに自宅まで来てくださいました。

川内:まあ! お手紙ひとつですぐに来てくださるとは、驚くほどの行動力のお方ですね。

東城:そして常岡先生に事の次第をお話したところ、「大丈夫。道はある。まっすぐ生きれば道は切り拓く。そのためには大切なものを捨てなさい」と仰いました。
 そのとき、私にとって大切なのはお金でした。2人で会社を経営していましたから、汚れてしまったものはすべて夫にあげ、会社もお金もすべてあげて、私は空(から)になりました。常岡先生は「もう妻の役目は済んだ。これからは母で生きなさい」と言われました。
 私は「あなたと健康」創刊の頃は泣いてばかりでした。そんな私を見て先生は、「空は雨だね。雲で一杯だ」。それから少し元気になると「少し青草が生えてきたね」と励ましてくださりながら様子をみておられました。
 3年ほど経った頃、「青草が伸びてきた頃」からお金を出すことの特訓が始まりました。先生はそのお金を恵まれない子どもや老人のために使っていたのですが、「そうして世の中のために回していくと道は拓ける。縁はすぐそこにあるから今持っているお金を出しなさい」と言います。私はそのお金を出すと会社が潰れてしまうから悩みました。でも先生は私に試練を課したのでしょう。「今、お金を出さないと縁を逃がすことになる」と言いました。

川内:常岡先生は東城先生がお金をお出しになることで、道が切り拓かれると見えていらっしゃったのかもしれませんね。

東城:それまでも過去に幾度かお金を出しましたが、きちんと利息をつけて戻してくださいました。でもこのときはお金は戻ってきませんでした。それで常岡先生に「お金がないと会社が潰れてしまいます」と言ったところ、先生は「わしゃ知らん。天は知っている」と仰いました。それからこれも不思議ですが、売掛で戻ってこないとあきらめていた方から入金があったり、そのとき本がとても多く売れたりと自然にお金が入ってきたのです。
 その後、色々な縁ができて広がっていきました。やはり常岡先生は縁というものがあの時すでに分かっていたのだと思います。だから「今出せ」と言ったのでしょう。
 「食べものという物質が先じゃない。その根を見るんだよ。何ごとも見えないいのちを見て歩くのが先。物や金はそれらを見させる道具だよ」と言われたことは忘れることができません。

 

道を拓く

川内:東城先生はそこで命よりも大事なお金を出されて、本当に「無」になられたのですね。何か信じるものがおありでしたか?

東城:私は20歳の頃から聖書を愛読してきました。宗教信者は枠を作り、教祖や牧師と同調する人たちです。本来は人間が師ではなく自然が師であるべきなのです。枠を外さないと自然に生きられません。教祖や牧師の話を真似ているだけでは道は拓けません。実践して自分のものにしなかったら何にもなりませんでしょう? そのことは「あなたと健康」の表紙裏にも書いています。
 その人がどのような影響を受けたのかは、言葉や態度になって現れます。健康運動は行動しなければ運動とはいえません。それを私にやりなさいって常岡先生が言ったんです。「そうしないと道は切り拓けんよ」って。だから必死にやりましたよ( 笑)。

川内:大変な試練を何度も乗り越えてこられたのですね。東城先生は今も料理教室やご講義を続けていらっしゃるとお聞きしていますが?

東城:今日も午前中は講義だったんですよ。私は料理教室で厳しいことを言います。たとえここの講師であっても、間違ったことを言えば生徒の前であってもすぐその場で注意します。それで講師は恥をかくかもしれません。でも、恥をかくくらい真剣にやらないといけないのです。だから私は「大丈夫。この場ではどんどん恥をかきなさい。つらい思いをすると本気になるでしょう。本気になると身に付くからね」と言っています。

編集部:東城先生の料理教室は料理だけではなく、人生を学べるところなのですね。

東城:まさに「人生道場」です。みんなから「東城先生は怖い先生だ」とよく言われますよ。でも、不思議と人が集まるんです。
 私の料理教室では、玄関から入ったときから学びが始まります。生徒からは「料理を習いにきたのになぜトイレ掃除をしなくてはならないのか?」と言われますが、そういう始末の仕方が分からないうちは何もできないのです。
 今の生徒たちは理屈が先にきます。質問をすると「これは東城先生の本に書いてありました」と返ってきますが、身に付いていません。真似をしているうちはまだまだで、自分で工夫して、はじめて自分のものになります。

川内:生徒が叱られることは今の時代にはほとんどないでしょうけれど、東城先生は大きな愛をお持ちでいらっしゃるからこそ、おできになることなのでしょうね。

 

日本の歴史を学ぶ

東城:それから最近は日本の歴史をよく話します。私たちの祖先を知ることはとても大事だからです。世界の歴史を見ると戦いの連続で、古代ギリシャにしろローマ帝国にしろ、力の強さで発展しましたが、結局滅びました。残っているのは瓦礫の遺跡だけです。生きていないのです。
 でも日本は違う。日本の国家は世界で一番長い歴史を持っています。その土地の氏神様を大事にして出雲大社や伊勢神宮は今も立派に受け継がれています。高天原からの時代から国が創られ、それを受け継ぐ天皇家は現在
125代まで続いています。そういう綿々と受け継がれてきた土台の中で生きているということを知って欲しいのです。そんなことも料理教室で教えています。それを教えないと、命を粗末にしてしまうのです。

編集部:日本の源流を教えることで、私たちがそれを土台として受け継いでいることを知る。だから歴史を教えているのですね。まさに人生道場です。

東城:私は歴史を知らない民族は滅びると思っています。
 日本人は本来、お天道(てんとう)さま(太陽ではない。太陽も包みこむ自然の力)を仰いで生きてきました。大地からの恵みをいただいて生き、そして肉体はまた大地に還っていく。食べ物を粗末にすると親から叱られました。今はそういうことを教える親がいないから食べ物が簡単に捨てられるとか、訳のわからない異常な事件がたくさん起きています。だから色々勉強して教えているんです。挨拶などの礼儀作法、掃除といった常識的なことまで、生きるとはどういうものなのかを学んで欲しいのです。

編集部:今の教育ではなかなかそこまで教えることはできません。

東城:私もそう思って、平成24年に神社本庁の協力をいただいて「日本がもっと好きになる 誇りある日本の歴史を学ぼう!」という本を作りました。やはり私たちはご先祖さまたちが生きてきた道を知らなければ、見えない命、心( =魂)はわかりません。そして、それを子どもたちに伝えていかなくてはいけないのです。
 日本人はどんな民族なのか、ご先祖さまはどのような思いで生きてこられたのか、日本の神話の時代から第二次世界大戦の敗戦・復興、現代まで、少なくてもこれだけは知って欲しいことを小冊子にまとめました。私は全財産をはたいてでも出すつもりで無料で出しました。でも、無料では申し訳ないとお金を送ってくださいます。私は1円も出さずに、天からお金が降ってきたのです。今では40万部以上、お配りさせていただいております。

川内:ありがとうございます。私もこの本を読ませていただき、日本の歴史を学び直したいと思います。

東城:「あなたと健康」も同じです。月刊誌だけでなく、料理教室、栄養相談、講演活動などすべて宣伝なしで草の根の如く少しずつ広がっています。

※1 ハリー・ホワイト・ミラー:国際栄養研究所所長、WHO( 世界保健機関)理事を務めた博士。
※2 常岡一郎:参議院議員12年。戦後の大変な中、戦災孤児100人・身寄りのないお年寄100人を養ない、心に光をつける運動を全国的に展開。これは社会福祉法人として今も続く。勲二等瑞宝章受賞。昭和64年1月、90歳で天に還る。

 

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