日本CI協会はマクロビオティックの創始者桜沢如一によって創設された日本で最も歴史のあるマクロビオティックの普及団体です。

home クッキングスクール イベントのご案内 書籍紹介 ショップ・レストラン情報 リンク アクセス お問い合せ

活動と入会案内

■協会からのごあいさつ
■概要
■理念
■沿革
■『入会のご案内』
■マクロビオティックとは
・辞書で引くと・・・
・桜沢如一・桜沢里真
・コラム
■研修制度

スタートセミナー日程



健康・病院案内

■健康相談
■定期健康講座
■病院案内

月刊マクロビオティック
食養生や料理レシピなど最新情報が満載です。

■最新号目次
■ご入会の案内
■図書館


マクロビオティックWeb

マクロビオティックWeb

マクロビオティック商品の商社オーサワ

マクロビオティック商品の商社オーサワ

リマネットショップ

 

 
Home月刊マクロビオティック > 抜粋記事〜今月のおすすめ記事

『月刊マクロビオティック』5月号おすすめ記事

第10回 マクロビオティック医学シンポジウムレポート

腸内フローラが変わればカラダもココロも変わる


【開催日】2017年3月20日(月・祝) 会場:安与ホール(東京都新宿区)
【講演者】京都府立医科大学消化器内科 准教授 内藤裕二氏、公益社団法人生命科学振興会 理事長 渡邊昌氏、日本CI協会会長 勝又靖彦
【司会進行】河野友美(リマ・クッキングスクール師範科修了生) 【写真】宍戸ヤスオ(ADMission)
【主催】日本CI協会
【協賛】株式会社ビーアンドエス・コーポレーション、サンスター株式会社、株式会社太田胃散、リマナチュラル株式会社、オーサワジャパン株式会社、株式会社リマコーポレーション


 2011年の第1回「食でがんを治せるか!?」から5年、マクロビオティック医学シンポジウムは10回目を開催することができました。これも皆様の長きにわたるご支援のたまものと御礼申し上げます。
 第一回から共通する目的のひとつは「医学界へのマクロビオティックの更なる普及」ですが、継続して開催してきたことで少しずつ広がってきたように感じます。また、多くの皆様がシンポジウムにお越しになり、それぞれの現場のリーダー的な先生たちの講演をお聞きいただいたことで、マクロビオティックの中にも今の現代医学、現代科学との共通点を見出していただけていることと思います。
 記念となる今回のシンポジウムは、腸内フローラ研究の第一人者、京都府立医科大学 内藤裕二准教授をメインゲストにお迎えし、テーマを「腸内フローラが変わればカラダもココロも変わる」として開催しました。近年話題のテーマでマクロビオティックとの関係性も深い腸内フローラ。最新の研究データとともに、シンポジウムで話されたことをダイジェスト版としてレポートします。

編集部

腸内フローラとは?

ヒトの腸内にはたくさんの細菌が住んでいます。これを腸内細菌といい、100種類以上、数にして約100〜1000兆個ともいわれています。その様子がまるで様々な植物が群生しているお花畑(フローラ)のようであることから、腸内細菌の様相を「腸内フローラ」( 腸内細菌叢/ちょうないさいきんそう)と呼んでいます。

 

身土不二と腸内フローラ 

日本CI協会会長 勝又靖彦

 皆様のお陰で10回目となるマクロビオティック医学シンポジウムを開催することができました。この医学シンポジウムは、当初から医療の第一線で活躍されている医師や医療関係者に最新のお話をしていただいております。
 どの先生方もとても素晴らしく、そのお話の内容はマクロビオティックと共通するものもたくさんあるように思っています。
 マクロビオティックは東洋医学や伝承医学の多くを取り入れていますが、医学シンポジウムで先生方のお話を
伺っていると、西洋医学の良い面もよく分かってきました。もちろん、西洋医学と東洋医学では考え方の違いもありますが、それがあるが故にお互いに認め、協調できる部分もあるのではと感じています。今では双方の良いものを取り入れるようになってきました。
 科学は部分をひとつずつ分析して数値を測定していくもので、それらをデータ解析して全体をみようとします。反面、東洋医学は全体を観ることから始まります。そのことは大きな違いといってよいでしょう。
 マクロビオティックでは、自然の摂理を重視した食事法が基本となります。食は人間が生きていく上での土台と
なるものですから、自然の秩序に即した食事をすることで生命力を向上させていくことができると考えています。
 それが「身土不二」「一物全体」という基本原則です。身土不二は、その土地に適したものを食べるということで、自然に生かされて育てられているという考えです。一物全体は、そのもの丸ごとの総和の命をいただくということです。今の栄養学は部分的な要素しか見ていませんが、総体で観ることで部分では測り知れない効果があることを知って欲しいです。これが感性を重視するマクロビオティックの基本的な考えです。
 また、知性ではものごとを善悪に分けますが、マクロビオティックでは相反するものでも相対的なこととして捉えます。どちらが良い、どちらが悪いなど決めつけることではありません。いわゆるそのバランスを大切にするわけですが、腸内フローラでいう善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7のバランスは、マクロビオティック的にも納得できることのように思います。

 

腸内フローラが変わればカラダもココロも変わる

京都府立医科大学 消化器内科准教授 内藤裕二氏

 

消化管( おなか)は全身の司令塔である

 近年、日本人の「おなか」の環境が変化しています。それは、日本が世界で最も大腸がん死亡率の高い国である
ことからも分かります。その数は年々増加しています。2012年にがんで死亡した人は約36万人。内、男性が21万5千人、女性が14万5千人ほどです。
 部位別では、男性は多い順で肺がん、胃がん、大腸がん。女性は大腸がん、肺がん、胃がんの順です。今や、男女
ともにおよそ2人に1人ががんと診断され、男性では4人に1人、女性では6人に1人ががんで死亡しています。
 一日平均で1000人もの方ががんで亡くなっている計算です。消化器系の胃がん、大腸がんで年間10万人が亡く
なっています。( 国立がん研究センター資料より)

 

腸内フローラを上手く利用して健康に

 また、ヒトゲノム解析で培った遺伝子解析技術を駆使して、腸内細菌を「メタゲノム解析( 微生物を集団で解析する)」したのがブレークスルーとなり、腸内フローラ研究が飛躍的に発展しました。メタゲノムとは、腸内フローラを培養技術だけに依存することなく、網羅的に遺伝子解析、さらには機能解析することを意味しています。腸内細菌のDNA( デオキシリボ核酸。遺伝情報を保持する物質)の集合体の塩基配列を自動的に解読することのできるDNAシーケンサーの改良も進み、いわゆる次世代シーケンサーも開発され、腸内フローラ研究は新たな局面を迎えています。結果、腸内フローラの変化が消化管( おなか)の病気の原因となっているだけでなく、全身の糖尿病、動脈硬化症、神経精神疾患の発症に影響することが明らかとなりつつあるのです。
 また、腸内フローラが及ぼす多彩な作用についても分かってきました。それは、血管新生の促進、免疫システムの教育・発達、ビタミン・アミノ酸の生合成、食品因子の代謝・分解、感染防御などといった作用です。
 腸内フローラはヒトが持っていない遺伝子を持っていて、様々な物質を作り出し、人の神経、免疫などの成長には必須の因子です。腸内フローラをうまく利用しながら、健康の増進、病気の予防に役立てる研究が進んでいます。

 

腸内フローラと健康・疾患

 ヒトは生まれた時は無菌状態です。その後、100兆個以上の腸内細菌が棲み着くことになり、さらにはライフスタイルがそれら細菌の質的・量的変化に影響しています。多くの生活習慣病の発症、健康長寿は決して遺伝子によって決定付けられたものではなく、後天的な環境因子によって決まるようです。環境因子の中では腸内フローラの影響が最も大きく、その改善作戦こそが健康長寿に繋がります。食物繊維、発酵食品、運動といったものが有用菌( 善玉菌)を作り、高脂肪食、ストレス、化学物質などが有害菌( 悪玉菌)を作ります。食べる食物繊維の量で腸内細菌が変動することから、腸内フローラは食事によって影響を受けることが分かりました。
 腸内フローラを決める食べ物は、食物繊維、発酵食品、乳酸菌などが良いことがわかってきています。高脂肪食は最悪です。私たち日本人は食物繊維をたくさん摂ってきた民族なので、おなかの中にたくさんの発酵菌を持っています。その発酵菌は短鎖脂肪酸を産生して体に良いことをしていると同時に、水素を産生しています。そして、この水素はおなかの中で酢酸を作っています。つまり日本人は、食物繊維、短鎖脂肪酸、水素、酢酸という経路が完璧に動いている訳です。
 腸内フローラを改善するのは容易ではありませんが、特に便秘には注意が必要です。日本人は20代から50代までは女性の便秘が目立ちますが、男女とも60歳を超える頃から増え始めていきます。便秘はパーキンソン病、多発性硬化症の危険因子の他、直腸がん、精神疾患( うつ病)、神経疾患、メタボリック症候群などの因子ともなります。つまり、便秘は健康長寿のバロメーターといえます。医学の祖ヒポクラテスは「すべての病気は腸から始まる」と言っていました。
 私はこれまで腸内フローラをよくするためには食物繊維が多く含まれている大麦を食べることを勧めてきましたが( 大麦の食物繊維量は玄米の3・2倍)、総合的な栄養バランスをみて玄米を勧めるようにしていきたいと今回のシンポジウムで感じました。

【内藤裕二先生の参考図書】
「消化管(おなか)は泣いています〜腸内フローラが体を変える、脳を活かす〜」( ダイヤモンド社)1500円+税
「人生を変える賢い腸のつくり方〜ココロまで整える腸内フローラ活性術〜」( ダイヤモンド社)1200円+税

 

【1】【2】【次ージ】


※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。