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『月刊マクロビオティック』4月号おすすめ記事

【特別対談】食養をレゲエにのせて

Sing J Roy(ミュージシャン) × 勝又 靖彦(日本CI協会会長)

 

ジャマイカは普通に玄米を食べている

勝又:ジャマイカでは玄米を食べる人もいますよね?

Roy:普通の料理屋さんでも、ごはんを頼む時にホワイトライスかブラウンライスかを選ぶことができます。

勝又:マクロビオティックが広がっているわけではないのですね。玄米は体にいいという話はあるのですか?

Roy:もちろんあります。ジャマイカは病院が少ないし、行けるお金もないだろうし、体は自分で守るというので、食べ物に対する意識が高い人が多いですね。日本よりはるかに多いです。

勝又:キューバでは、元・当協会員がカストロさんの息子さんと味噌や醤油づくりをしたり、最近では西邨マユミさんがキューバに招かれて話をしに行ったりしてマクロビオティックがとても広がっています。ジャマイカではいかがですか?

Roy:ジャマイカでは、ラスタマンという思想家が始めた「アイタルフード( 肉や魚、甲殻類、卵などを一切使わず野菜や穀物・果物だけで作られたオーガニック料理)」を食べる人が多いです。ジャマイカのミュージシャンは、日本を訪れる際に必ずシェフも連れてきます。彼らは自分が信用するシェフのごはんしか食べませんから、シェフは調理道具を持参して、日本のオーガニック野菜のみを使って料理をしています。でも、ジャマイカ人が日本で必ずはまるのが味噌なんです。みんな「味噌汁がうまい、うまい」と言っています。
 味噌汁はジャマイカでも広がっていると思いますよ。豆腐も「tofu 」と書いて売っていますし、もちろん醤油も使います。

勝又:ジャマイカでも味噌や醤油は普通のお店で買えるのですか?

Roy:味噌はまだアイタルフードを好んでいる人たちだけで浸透しているという感じですね。だから、ジャマイカの人が日本に行くというと「味噌を頼む」「日本酒の純米酒を買ってきて欲しい」と頼まれるようです。
 マクロビオティックの料理に「重ね煮」がありますが、ジャマイカでも基本的な料理法としてスチームベジタブルといわれるものがあります。私の奥さんが調理師をしていてマクロビオティックなどを研究しているのですが、本を見せてもらった時に全く同じ調理法だったのです。マクロビオティックが広まったというよりは、同時進行で同じようなやり方をしていたという感じがしますね。

ダンプリン(小麦粉を練って茹でたもの)、茹でバナナ、スチームした野菜
ダンプリン(小麦粉を練って茹でたもの)、茹でバナナ、スチームした野菜

勝又:共時性ですね。今、日本ブームといわれていますが、各地独自に色々な方向に向かっていて、それがたまた
ま日本文化に連動するということで、クールジャパンのような言葉が生まれてきたのだと思います。
 アフリカでも「伝統食に帰れ」という運動が随分起こっているようですね。それが世界中で今起こっているということでしょう。

Roy:ジャマイカはコロンブスが発見して、元々住んでいたインディアンは大虐殺されました。アフリカの奴隷が連れて来られた時、アフリカ人は自国の木の実や種をいっぱい持ってきたそうです。
 ジャマイカ人はアフリカに戻りたいという気持ちが強いので、基本的に食事もアフリカからやってきたものだと思います。

勝又:桜沢はよく「私が広げたんじゃないよ。時代がそうなっていくんだ」と言っていました。桜沢が目指したのはそれに原理を与えること。一物全体や身土不二、宇宙の秩序などは時代がそういう方向に行った時に、みんなが必要とする考え方の基本を確立したのですね。

揚げたダンプリン、塩鱈、スチーム野菜、アキ(果物)など
揚げたダンプリン、塩鱈、スチーム野菜、アキ(果物)など

 

レゲエのリディムは心臓の鼓動

勝又:レゲエでいう「リディム」とは、「リズム」のことですよね。桜沢は「リズムと色々な現象に対するリスペクト、こ2つがあれば世界は平和になる」と言っていました。体ではリズム、頭では尊敬の念を持つということです。桜沢自身も音楽には興味があったのです。
 ここに桜沢が作った「PUの歌」という歌集があるのですが、Royさんの曲「HEART BEAT 」の歌詞を読んでいると「まさにPUの歌」といっていいくらいだと思いました。「これもマクロビオティックだ」と言いたくなるようなフレーズがたくさん出てきますね。

Roy:ジャマイカの基本的なリズムが「HEART BEAT 」なんです。レゲエのリズムは、僕ら人間の心臓の鼓動なのです。76〜80位のテンポが心地良いのです。多分、私たちの普段の生活の中での脈拍数と同じなのでしょう。
 最近は早いテンポの音楽が流行ってますが、それらを聴いているとすごく心臓の鼓動が早くなります。レゲエには人間の基本的な心臓のリズムと同時に進行していくという教えがあると思います。

勝又:桜沢はよく「心臓が何で動いているのか」という質問をしたのですが、まさに陰陽で動いているのです。
 心臓の鼓動は宇宙の秩序そのもので、それを正しく動かすための食生活法としてマクロビオティックがあるわけです。それが歌のリズムの一番の元になっているのですね。だから、歌がない民族はないのです。
 レゲエを歌い、レゲエで踊って宇宙の秩序を体感体得していく。仏教でいえばお経でしょうか。レゲエはそれらを現代風に展開しているのかなと思います。

Roy:レゲエと宗教はとても密接で、音楽をやって玄米食べているだけではダメで、常に神を意識して行かなくてはなりません。その神は何でもいいのです。
 ジャマイカと日本の神様は共通する点が多々あります。一つは「ジャパン」と「ジャマイカ」。「ジャ」が付く国は2つしかないのです。そして「ジャ」は、ジャマイカの言葉で「神」という意味なんです。全く地球の反対側なのですが、どちらも島国で、両国がものの一つひとつに神様が宿るという考え方を持っています。
 もう一つは、色々な民族が混ざっているという点です。黒人、白人、スペイン人も混ざっていればチャイニーズも。日本も色々なところから混ざっていますよね。北陸だと朝鮮半島から来た人やロシアから来た人など。混合民族という点でも、日本とジャマイカは似ているのだと思います。

勝又:最終的にすべての存在は身土不二で、その土地の風土気候、空間があります。色々人は入ってきたけど、結局日本の風土の中で、日本人化していったのかなと思います。歴史的には仏教も道教もキリスト教も海外から入ってきましたが、それが日本の風土気候の中で完成する。醤油や味噌の起源はみな中国ですが、日本に入ってきて昇華される。技術的なものは色々と入ってきますが、日本はそれに原理を確立する。それは、陰陽調和した風土と、そこで育つお米を主食とした日本人の感性なんだと思います。

 

子どもたちから出た言葉をそのまま受け入れる

Roy: 小学校から大学まで、子どもたちと一緒に歌を作る授業ももう51校になるのですが、なるべく子どもたちに伝えながら教えてもらいながら、新しい世代の言葉遣い、ひらめきなどをもらっている感じがします。

勝又:子どもへのリスペクトですよね。桜沢も、子どもに陰陽を話す時が一番学ぶものが多かったと言っていました。大人は既成概念に捉われますから、感度が鈍くなる。陰陽は本能の世界ですから、子どもの方が確かなんです。

Roy:最初は良い歌を作ろうと僕の方の欲が出るのですが、だんだんそれが抜けていきます。良い歌・悪い歌ではなく、みんなで一つのことを共有した歌を作る。それに対して子どもから出た言葉を僕はそのまま受け入れて歌にして行くだけなんです。
 僕はジャッジしないんです。勝手に神様が子どもたちを通して伝えてくれます。

勝又:桜沢は「判断力の七段階」と言ったのですが、例えばアスリートの最高のプレーは最高判断力なんです。無意識の判断を桜沢は最高判断力と呼びました。誰でもやれば身に付くので、まさに自分の欲が抜けた時にできあがります。
 しかし今の人たちは、情報さえあれば何でもできるような錯覚の中にいます。しかし情報は相対界のもので、必ず表あれば裏ありなのです。それは最高判断力とはいえないので、意識で何かやろうとすると最終的には、様々な問題を起こしてしまいます。

Roy:僕も42歳になってようやく分かってきました。小学生の歌を作る時はほぼ100%のところで作れるようになりました。勝手にみんなで流れに乗るだけなので…。
 ただ、自分のライブとなったら僕も人間なので色々と考えます。「たまには女の子にもてたい」とか。そうなると大きな間違いを犯すことがありますね( 笑)。

勝又:2020年に東京オリンピックが開催されます。海外からマクロビオティックを知っている人が多く来られると思いますが、その時に当協会としても食と音楽の祭典みたいなものができたらと思ってます。Royさんにもぜひ協力していただきたいのですが…。

Roy: 桜沢さんの歌を作ることは、僕にとっても面白いテーマになります。是非イベントも協力したいと思います。

勝又:本日は楽しいお話ができました。ありがとうございました。

 

Sing J Roy

90年代より地元福井を拠点にSing J Royという名前で音楽活動を始める。「NO MORE WAR」という楽曲のリリースを機に全国レゲエファンから注目を集め、全国ツアーを行う。2007年に福井県出身在住のレゲエエンターテイナーと共に音楽レーベルイベント企画プロダクション「Danne the records」を設立。2008年には地元福井を歌ったシングル「ほやほや」をリリースし、福井県の幅広い層より支持を集め、福井県より「ふくいブランド大使」に任命。
2009年に配信した「だんね〜ざ 福井弁の唄」では総合ジャンルランキングで1ヵ月間1位を飾る。その後、母校を含めた県内外50校の小中高だけでなく、京都精華大学などでも特別講師として日本で唯一レゲエを利用した授業を展開。レゲエ発祥の地ジャマイカの話や自身の経験談だけでなく、児童と地元の曲を共同制作することで子どもや若者たちに夢や郷土愛を教える。2016年7月には、5年振り3枚目となるフルアルバム「HEART BEAT」をリリース。福井県を代表する、まさしくオンリーワンの日本を代表するカルチャーアーティスト。

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※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。