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『月刊マクロビオティック』2月号おすすめ記事

マクロビオティックは人生の奇跡を体感できる

TAO塾 代表 波多野 毅×日本CI協会会長 勝又靖彦

 前回の対談から3年が経ち、本誌連載の「桜沢如一のコトバに学ぶ」も今号で65回、5年以上も執筆していただいている波多野毅先生。ますますご活躍されています。
 今回の対談は波多野先生がマクロビオティックを始めたきっかけ、そして体験したことも語られ、桜沢如一への想い、東洋医学や東洋哲学のことなどを話していただきました。

 

冒険家としての桜沢

編集部:今回は対談の機会をありがとうございます。昨年はTAO塾創立20周年とのこと。「TAOリトリート&カフェ」のその後の活動はいかがでしょうか。

波多野毅氏(以下、波多野):「TAO食育菜園」という自然農の自家農園を12年ほど前から始め、「TAOリトリートセンター」という自前のセミナーハウスも3年前に持つことができました。先日は無農薬オーガニックで育てた黒大豆を阿蘇の地熱蒸気で蒸して作る手作り味噌ワークショップ、名付けて「地獄で作る天国味噌」(笑)を企画実施して好評でした。
 TAO塾には様々な方が訪ねて来られますが、都会から来られた方は「阿蘇は自然が豊かな良いところですね」と言ってくれます。たしかに木はたくさんありますが、阿蘇も日本の他の地域と同じく植林された人工林が多く、これでは「杉の植え過ぎ」ではないかと(笑)。
 私の住む阿蘇小国町は杉の名産地で、このセミナーハウスも地元の杉を使っています。間伐・手入れなどもしっかり管理されているところなのですが、TAO塾としては毎年少しずつ広葉樹などを植えていき、多様性ある森づくりに取り組んでいます。

勝又会長(以下、勝又):前回の対談は約3年前だったでしょうか、とても楽しかったのを覚えています。特に無双原理についてお話できたことは喜びでした。今回も波多野先生とお話できることをとても楽しみにしていました。

波多野:ありがとうございます。会長と桜沢のことを色々と話せて私も楽しい時間でした。
 桜沢のすごい点は、やはり常識にとらわれない稀代の自由人だったところだと思います。世界を股にかけて活躍し、たくさんのお弟子さんも育てましたが、決して聖人君子みたいなタイプの人ではありませんでした。桜沢先生は、生涯を通じて体を張ってチャレンジし続ける「永遠の少年」でした。

勝又:今思うことは、桜沢は冒険家だったと思うのです。あれだけ活動し、本も数百冊も執筆しているから思想家とか哲学家というイメージが強いですが、アメリカ的なフロンティア精神が好きだったのです。冒険家じゃなかったら、インドやアフリカなども行かなかっただろうし、どんなことでも自分で体験することもなかっただろうと思うのです。自分で体験してはじめて「最高判断力」に近づいていくということを、身を持って教えてくれました。

TAOリトリート&カフェ外観

 

森の生活と心理への巡礼

勝又:波多野先生はマクロビオティックや東洋医学、農業など、様々なことをされていますが、最近では主にどのような活動をされていますか。

波多野:最近、様々な学校で講演させていただく機会が増えました。それこそ、小学校から大学までです。
 今まで、食や健康をテーマに講演するときは女性や社会人向けが多かったのですが、明日を担う青少年たちに話をする機会が増えてきているのはとても嬉しいことです。彼らにマクロビオティックの陰陽の話をするときは、難しい話でなく、例えばジャンケンのグーとパーを使うなど分かりやすくお話します。
 また、科学や西洋医学は分析的にみるミクロな思考法であり、東洋の哲学や医学は全体的にみるマクロな思考法であり、これからはミクロにもマクロにも観ることのできる複眼思考が大切だという話をします。
 もう一つ、最近のトピックスとしては、私の大好きな「森の生活」の著者、ヘンリー・デイビッド・ソローの末裔が我が家を訪れたことです。
 彼は、阿蘇をテーマにしたアートフェスティバルに参加したフランス人アーティストでしたが、偶然、地元の蕎麦屋で出会い、意気投合してソロー話で盛り上がりました。

勝又:それはすごい縁ですね。

波多野:私も本当に驚き、その不思議な出会いに感動しました。桜沢は「自分が正食を知る前にもっと早くソローのことを知っていたら、彼と同じく自然の中での生活をしただろう」と語り、ソローが森の生活をしたといわれるウォルデン湖を訪ねています。

 私がソローの残した言葉の中で特に好きなフレーズが、彼の著書「市民の不服従」の中にありますのでぜひご紹介させてください。

『真理のより純粋な源について知らない人々、真理の流れをさらに高くまでたどることのできない人々は、賢明にも聖書と憲法に拠り、そこからはなれることなく畏敬と謙遜の念を抱いて真理の水を飲む。
しかし真理の水がこちらの湖、あちらの池にわずかに流れ込むのがわかる人々は、気をひきしめて再び水源へと巡礼の旅を続ける』

(Civil Disobedience市民の不服従より)

 これって、桜沢のいう第六判断力と第七判断力の違いについて書いているところではないかと私は感じています。
 松尾芭蕉も「古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ」と言っています。「論語読みの論語知らず」ではありませんが、浅学非才の我々であっても、先哲の辿り着いた世界の言葉に安住するのではなく、彼らが生涯求め続けた無限・絶対の世界をあくまでも求め続けていこうと語っているところのように思います。

 

対機説法に学ぶ

勝又:当協会は社会的にマクロビオティックを広めようと色々な活動しています。私もシンポジウムやセミナーでお話をさせていただきます。そこで感じることは、お話を聞く一般の方が興味を持っているかどうかある程度分かりますので、どう伝えていけばよいかということです。波多野先生がそういうお話をする場合、心がけていることはありますか?

波多野:釈迦は対機説法を心がけていたといいます。話す内容の本質は同じなのだけれど、話す相手の力量、傾向、段階に応じて相手が受け入れやすい表現に変えて話すことです。マクロビオティックの見方・考え方や食事法を伝える場合も、誰にでも玄米菜食を押しつけるのではなく、相手の感覚や状況を尊重して、柔軟に対応していくことが大切だと感じています。
 例えば、子どもたちに陰陽のことを話す場合、彼らにとって興味のある身近な出来事を面白い事例として楽しく理解させていくことが大切であるし、あるいは臨床検査技師という専門家の方たち向けには、顕微鏡で見ているミクロの世界とは違ったマクロな見方で「いのち」を見ると違った風景が観えて来ることの新鮮な驚きなどを伝えています。
 また、経営者を対象に話す時には、「陰と陽の経済学」を提唱されているベルナルド・リエターの話などもします。聞く側は自分たちのことを否定・批判されると防衛・拒絶反応を起こすので、相手の立場を理解して話すように心がけています。現代人が慣れ親しんできた思考法と異なる視点からのアプローチとして東洋哲学や東洋医学、そしてマクロビオティックというものがあるというのを知って欲しいと思っています。
 そして、気がついて欲しいのが我が国・日本の素晴らしさです。日本には和食や日本語( 大和言葉)といった素晴らしい文化があることを伝えていきたいです。

 

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※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。

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