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『月刊マクロビオティック』9月号おすすめ記事

感性と音楽

勝又:マクロビオティックでは「判断力」というとても重要なポイントがあります。辞書を引くと「ジャッジメント」と書かれています。ジャッジメントというと、野球でいうアウトかセーフということになりますよね。しかし、マクロビオティックの陰陽論ではアウトやセーフではなく、それに対する「調和」と考えます。
 立石さんは、判断力についてはどうお考えですか?

立石:私も目で見るものではなくて、自分の心や頭の中で全身を使って考えるものだと思います。
 私の中には感性を研ぎ澄ませるためにマクロビオティックをやりたいという想いもあるので、できるだけ余計なものをそぎ落としたいと思っています。そうすることでより必要最小限というか、研ぎ澄まされた音といったらかっこよすぎるのですが、自分はこの響きのこの一音を弾きたいと思うように、奏でる自分自身も聴く人にも同じような感覚を味わってもらえるような音楽を作りたいと思っています。
 ここ3〜4年、舞台の音楽も手掛けるようになりました。大半を生演奏で行なっているので役者さんと接することも多いのですが、舞台音楽は時にジャズ以上に丁々発止(ちょうちょうはっし)というか、激しい感情のやり取りがあります。
 恥ずかしながら、この仕事を続けていくうちに自分でも芝居をやってみたくなって、去年役者デビューをしました(笑)。

勝又:体で体感・体得するのが感性です。暑さ・寒さというのは体感しないと分からないですよね。もちろん、気温というのは温度計で計りますが、気温だけではなく、風力や湿度、気圧など様々な条件があって、それを総合して体が暑いと感じれば服を脱ぐし、寒ければ着るわけです。
 感性というのは全部総合的に捉えているのですが、知性は分析的でひとつひとつは正しいのだけれど、全体でその時に服を着た方が良いのか、脱いだ方が良いのか、というデータは出てきません。
 知識では絶対に分からない。そこが大切なところなのです。その中で無意識の判断力や無意識に至るプロセスというか、そういう意味でやはり陰陽を体感・体得した上で今何をするべきなのかというものを決めていくライフスタイルが本当に必要だろうと思います。
 今の時代、インターネットも含めて情報はたくさん集まるのですが、具体的に何をどうして良いか分からないという人が多いと思います。今は大変混乱している時代です。
 ミュージシャンの方は感性をベースにした生活をしていますから、そういう意味ではマクロビオティックに対する理解度というのは高いと思いますし、早いとも思います。知性で仕事している人は大変難しいのだろうなと思います。

立石 一海立石:私も本を読んで具体的に陰陽を勉強したわけでもないですし、日頃現象として見ている物事などを、「これは陽、これは陰」と考えているわけではありません。ただ、そういう風に分かれているのだろうなというのは何となく感じていて、これはやはりマクロビオティックを実践し、経験したからこそ感じられることだと思うので、いきなり本だけ読んでも難しいのかも知れません。
 また、陰と陽というのも「どっちが陰で陽?」「ひょっとして逆もあるのかな?」と、自分の置かれる状況や比べるもので違いがあるのかなと思う時もあります。先ほどの暑い・寒いの話ではないですが、私はとても暑がりなので、少しでも暑いと感じたら服を脱いだり冷房をつけていました。しかし、今は逆に麻でできた服を着ると涼しく感じることができます。
 今まで感じなかったことも自分次第というか、感じ方次第によっても変わってくるのかな、という気もします。

 

自由な楽しさ

高桑:立石さんがサラリーマンからジャズミュージシャンに転身して、2010年に初めて出したジブリの音楽をジャズアレンジしたアルバム「GHIBLI meet JAZZ」がジャズチャートで1になったというもの凄いことですね。
 その後、童謡・唱歌をジャズにした作品も発表されていますが、何かきっかけはあったのでしょうか?

立石:自分が好きな音楽というか、音楽って楽しいと思った時にはもう自分の側にジャズがありました。ジャズには思わず踊りたくなるような楽しいリズムや、歌いたくなるようなメロディがあります。12歳でエレクトーンを始めて、程なくしてジャズが楽しいと思うようになり、中学校でジャズを弾いたりしていました。三分刈りの坊主頭で(笑)。
 レコード会社で作品を世に送り届ける仕事を15年間やってきましたが、自ら音楽の楽しさや喜びを伝えたいなと思った時、やはり、誰もが知っている耳馴染みのある音楽やスタジオジブリの楽曲、童謡・唱歌などをジャズにするとこんなに楽しいよ、ということを伝えたくて、自身のピアノトリオを結成しました。
 ジャズは今から約100年前に、アメリカのニューオーリンズという港町で生まれたのですが、そこにはヨーロッパやアフリカから奴隷として連れて来られた人々がいて、様々な国の文化や音楽が混ざって生まれた音楽です。だからたくさんの音楽の要素があって、人生の喜怒哀楽が詰まっています。アメリカのこれまでヒットした映画の主題歌だけをみても、大半がジャズのスタンダードとして歌い継がれている曲だったりしますからね。
 ジャズは世界のポピュラー音楽の原点であり、日本の童謡・唱歌もジャズと似ている所があると思います。色々な音楽というのは突然生まれるわけではなくて、どこかで必ず通じ合っている。そこで、ジャズというフィルターを通すことによって新たな発見もあったりするだろうなと思っています。
 ライブでジブリや童謡・唱歌を演奏する時は、最初の1番はできるだけ元のメロディは崩さず、一緒に歌ってもらえる感じに演奏しますが、その後からは「もうこんな風に生まれ変わっちゃうよ!」という世界に入っていきます(笑)。その自由な感じを、楽しさをまずは伝えたいなと思っています。

編集部:ジャズの一番の特徴は、自由な楽しさなのですね。

立石:そうですね。どれが一番といわれると悩ましいのですが、やはりリズムの楽しさかな、という気がします。本場ニューオーリンズでは、祭りの時も食事の時も、さらにはお葬式の時にもジャズがあって、とても賑やかです。

勝又:マクロビオティック料理も年々洗練されています。ディナーショーやイベントで立石さんのライブを企画してみたいですね。

立石:音楽があると、確かに良いと思います。

 

マクロビオティックと音楽

勝又:私は今年で結婚50周年になるのですが、金婚式のお祝いということで、帝国ホテルへマクロビオティックの食事を出していただけるかと子どもたちが聞いてくれました。帝国ホテルはマクロビオティックのことをよく分かっていて、キッチリしたものも出せるけど、お祝いに相応しくアレンジさせていただきますとのことでした。
 時代的にホテルでマクロビオティック的な企画ができる時代になってきていると思います。やはり多くの人にマクロビオティックを知ってもらうようなイベントをやらないと、社会は変わっていかないと思うのです。
 具体的にはまだ何も決まっていませんが、東京オリンピックの時には、外国からマクロビオティックをやっている人がたくさんいらっしゃるわけで、そういう方をお迎えして何かイベントをしたいと考えています。

立石:良いですね。日本のジャズも頑張っていて、先ほどお話のあった帝国ホテルでも日本のジャズミュージシャンが集まって毎年ジャズフェスティバルをやっています。

高桑:マクロビオティックをテーマに料理人と立石さんがコラボしたコンサートとかそういうイベントを将来的にできれば面白いなと思います。

立石:書道家や画家と一緒に何かをやるというのはジャズに限らずありますが、料理は確かに新しい試みかも知れないですね。

勝又:今までにないことをやると、そこで様々な想像力や空想力が働きますよね。そうすると自分たちの陰陽の体感・体得にも役立つ訳ですね。そうすると我々の運動ももっと活性化してくると思います。
 この間テレビを観ていたら俳優の渡辺謙さんが「どこへ行くにも自分で料理をする」と言っていました。

立石:私も観ました。凄いですよね。稽古場には自分で作ったおにぎりを持参していました。

勝又:手づくりというのは、栄養学ではわからない、とても大切なことです。昔は味噌や醤油、漬物も全部自宅で作りました。手づくりの「身土不二」という言葉がありますが、漬物は買ってきたものと自宅で作ったものとでは全然違います。似て非なるものです。それは単に美味しいだけではなくて、健康にも良いわけです。
 音楽やお芝居でも、やはり生のライブにはかなわないということと同じだと思います。今は栄養成分さえ同じなら何を食べても同じだと、とんでもない間違いをしているのです。

立石:一度、作っているところにいるというか、現場にいるというか、体で、肌で感じるということがとても大切だと思います。大人にとってもそうですが、これから未来を担う子どもたちに「生」で感じて欲しいと思います。
コンサートに来てくれている子どもに聞いてみると、生演奏を聴くのは初めてという子がかなりいることに驚きます。家で音楽を聴いているだけで外に出ないからでしょうね。幼稚園でも今はユーチューブを普通に見ていますからね。ライブを生で感じてもらう、そういう機会をこれからも作っていきたいと思っています。

勝又:立石さんもこれまで生の音楽を聴いて感じることが多かったのでしょうね。

立石:今の私があるのは、これまでの人生で多くの素晴らしいミュージシャンの生演奏に出会ったお陰です。それはプロもアマも関係ありません。子どもたちが全身全霊で音楽を創る姿に胸打たれ、涙が溢れることもあります。

 

自然に生きる

編集部:最後に、立石さんとマクロビオティックの関係はこれからどのようになっていくのかお聞かせください。何か意識していることはある
のでしょうか?

立石:自分が体を良くしたい・改善したいという想いで実践していくうちに、自分の体に合っているというのが分かって今に至っています。これからは、より真摯に自分の体と向き合いながら、より自然にといいますか、その時その時で自分が欲している食物を自分と相談しながら自分が生まれたこの地球で、この日本で自然に生きていく、そんな関係でありたいですね。

勝又:私たちとのお付合いの中で、立石さんのプラスになるようなものがあれば我々も嬉しく思いますし、我々も先ほど言ったように音楽的な要素を運動の中に取り入れていきたいと思っています。本日はありがと
ございました。

立石 一海

立石 一海/たていし かずみ

作・編曲家 / ピアニスト /
音楽プロデューサー
ジブリの音楽をジャズアレンジしたKazumi Tateishi Trioの「GHIBLI meets JAZZ」シリーズがAmazonジャズチャートで1位を獲得するなど、異例のロングヒットを記録。国内外で演奏活動を行なうほか、舞台、映画、テレビドラマの劇中音楽、CMの作曲、演奏など様々な分野で活躍中。2012年にはNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」にピアニスト役で出演。最新アルバムは『はるなつあきふゆ〜童謡・唱歌JAZZ』。
オフィシャルHP:http://www.kazumitateishi.com/

 

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