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『月刊マクロビオティック』7月号おすすめ記事

 5月24日(土)、シダックスホール(東京・渋谷)にて「第6回 マクロビオティック医学シンポジウム」が開催されました。
 今回のテーマは「これからのがん対策」。メインスピーカーには垣添忠生先生、望月友美子先生といったマクロビオティック界ではあまりお名前を聞かない先生方が登場しました。それもそのはず、垣添先生は国立がんセンターの名誉総長や公益財団法人日本対がん協会の会長を務める、名実ともに日本のがん対策のトップに立つ方です。
 望月先生も、国立がん研究センターで国のたばこ政策に多大な影響を及ぼす立場にいる現役の研究者です。おそらく民間療法や代替療法の立場として、国の医療政策と一線を画してきたマクロビオティックの長い歴史の中で、これほど医療のメインストリームに近づいた日はなかったのではないでしょうか。
 今回のシンポジウムは、国とマクロビオティックのつなぎ役を積極的に務めるキーパーソンの渡邊昌先生と、マクロビオティックの社会化を目標に掲げる日本CI協会勝又靖彦会長の思いが結実した、マクロビオティックの新しい時代の到来を予感させるイベントとなりました。

確実に時代が
  変わって来ている

 今回司会進行役を務めたのは、マクロビオティックを実践している河野友美さん。河野さんはマクロビオティックを「帰る場所」と表現し、「羽目をはずしたり不摂生をしても、マクロビオティックに戻れば、自然体で楽になれて幸せを感じさせてくれる大切なもの」と語った印象的な自己紹介でスタートしました。
  そんな河野さんのナビゲートで最初に登場したのは、日本CI協会勝又靖彦会長です。勝又会長は、今回の国のがん対策の中枢にいる先生方とマクロビオティックの共演をはじめ、確実に時代が変わって来ていると実感するそうです。
 協会には何人かの大学生が、マクロビオティックを卒論に取り上げるために訪れるようになったり、ある大学の社会学科のゼミ生が、現代日本の健康観、病観の社会学的研究の取材に訪れて論文集をまとめたり、そして、最近では中学生が学校のグループ実習で話を聞きに訪れたそうです。その中学生たちは「陰陽論による食事法は科学的根拠がない」「牛乳は仔牛の飲み物で、人には害があるなどと根拠のない主張をしている」「栄養失調を起こし、死に直結する危険があるなどと言われているにもかかわらず、マクロビオティックで病気が治った人がいるというのはどういうことか」と疑問に思い訪れたそうです。
 勝又会長は、こういった若い世代が理由はどうあれマクロビオティックに関心を持ち、学校教育だけでない考え方へアプローチしようとする感性に、時代の大きな変化を感じると語りました。

がんの理解に大切なポイント

 次に登場したのは、今回のメインスピーカーである垣添忠生先生です。垣添先生は奥様をがんで亡くされ、ご自身もがんになって克服した経験から、これから日本が向かうべき「がん対策」の要点を豊富なデータとともに解説してくれました。
 まず、垣添先生は「がんがどういう病気かを理解することが一番大切」だと話されました。1981年にはがんが死亡原因の第1位になり、現在では男性は2人に1人、女性では3人に1人、年間80万人ががんになって36万人が亡くなるという統計を示します。
 そして、がんの仕組みとして、細胞の核の中にあるDNAの上にあるがん遺伝子の活性化、及びがん抑制遺伝子の不活性、またはその組み合わせの結果、正常細胞ががん細胞に変わると考えられ、これは過去20〜30年の基礎研究の中で大きな成果であるとし、「がんというのは遺伝子の異常によって発生する細胞の病気である」ということが、がんの理解に一番大切なポイントであると言います。
 40〜50年前は「胃がん」「子宮がん」が多かったのに対し、最近では「肺がん」「大腸がん」「乳がん」「前立腺がん」が多くなっている日本のがんの傾向について「この短い期間に日本人の遺伝形質が変わるとは思えないので、がんのパターンの変化の背景には、私たちの生活習慣や生活環境の変化があるのではないか」と話されました。
 1981年の「Doll とPeto」という有名な疫学者の論文でも、がんの原因の30%がたばこ、35%が食事、10%が感染症・ウイルス・細菌と
いうように、75%は生活習慣と生活環境であるといいます。また、ハーバード大学が1996年に発表した疫学研究に基づく推定値においても、そのほとんどの原因は生活習慣と環境とされ、よく心配される「がん体質」などの遺伝による原因は5%なのだそうです。
 そして、もう一つ大切なポイントとして、がんは慢性の病気であることをラットの実験や人間における多段階発がんモデルを示しながら
解説されました。
 「がんの発生や進展には長い時間を要するので、心筋梗塞や脳卒中などの1分1秒を争う病気とは性質を異にしている。ご自身や家族にがんの疑いがあると言われても、一ヵ月ぐらい時間をかけてあらゆる情報を集め、どう対処すべきかを冷静に考える時間は充分にある病気なのだ」と話されます。結論として、これらのがんを理解するポイントを前提に、いかに予防と検診が大切かを訴えられました。がんにならないためには、「禁煙」「食事」「感染症」という生活習慣、及び生活環境の対策が最重要なのです。
 垣添先生は、データを基にした非常に論理的、そしてアップテンポでリズミカルな語り口で観衆の興味を引きつけたかと思うと、話題の転換にご自身が登った山の美しい写真を入れ込んでリラックスさせたり、自身のがん体験で半ば自虐的に笑いを誘ったりと、緩急自在に話を進められ、あっという間の50分でした。

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※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。

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