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『月刊マクロビオティック』おすすめ記事
コラム:桜沢如一のコトバに学ぶ
「怪力乱神を語らず」
日本CI協会刊「マクロビオティック誌」連載
2012年5月号掲載(第36回目)
寺子屋TAO塾代表 波多野毅
「ガンジーは、そんな不思議な能力にはちっとも心をひかれません。よく不思議なことをみせられると、すっかり心の底から傾倒してしまって、その人を神のように尊敬し、しまいには信仰したり、自分の一生の指導者にたてまつってしまう人がありますが、ガンジーはそんな青年ではありませんでした。それほどシンプルな、迷信屋ではなかったのです。多くの凡人は、怪力や手品のような芸をみせられると、すぐ他愛もなく参ってしまいます。はじめから奇跡まがいのことを求める人さえあります。この幼稚な心理をうまくにぎって、しこたまお金をまき上げる人もたくさんあります。」(「続・永遠の少年」)
オルタナティブなものには、科学で未だそのメカニズムは解明できないものの有効なメソッドは沢山ある。要素還元主義に偏重した近代科学の洗脳を受けている我々は、そのフィルターを外し、常識にとらわれない見方考え方を持つ必要がある。しかし、中には行き過ぎた、まことしやかなトンデモ情報も多々あることも事実。マクロ界隈に屯たむろする波動、気学、望診、姓名判断、陰謀史観等も時に要注意!
「聖人は常を語りて怪を語らず、徳を語りて力を語らず、治を語りて乱を語らず、人を語りて神を語らず」の言葉を残した孔子は、怪力乱神を完全否定していたわけではない。ただ、そうした不可解なものに振り回され、判断停止に陥る依存体質を戒めた。
江戸時代中期の哲学者である三浦梅園は「枯れ木に花が咲くを驚くよりも、生木に花が咲くを驚くべし。」と喝破した。とかく私たちは派手で奇跡的なことばかりに驚くけれども、本当に驚くべきことは、毎年春になると当たり前のように花が咲く、そのことにこそ驚くべきではないかと諭した。
外在する権威に盲信するのでなく、専門家の意見や様々なデータを参考にしつつも、己の知性、感性、直感をフル動員して、未熟であっても身の丈の自分自身の判断力で物事の真実に対峙していくのだ。日常の暮らしの中に当たり前のように存在する奇跡にこそ心の眼差しを向けたい。
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波多野 毅 /はたの たけし(寺子屋TAO塾代表・食育エコロジスト)
1962年熊本県生まれ。
一般社団法人TAO塾代表。鍼灸学生時代、日本CI協会、正食協会にてマクロビオティックを
学び、93年Kushi Institute勤務。著書に「医食農同源の論理」(南方新社)など。コミューン、KJ法、禅、老荘、超個心理学、東洋医学など自身の歩みを編集すべく熊本大学大学院社会文化科学科博士前期課程にて経世済民・平和学としての東洋思想の可能性を探求中。
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