本書はなんと!昭和14年に書かれたものです。それが今もなお版を重ね、読まれ続けていることに、まず大きな価値があります。当時は第二次大戦下にあり、時代背景や世情も伝わってきます。そんな中、桜沢如一さんが提唱する正食や幸せの考え方は、かなり異質であり、世間から厳しい目にあってきた様子も感じられます。先駆者ならではの苦労、 と言いましょうか。
どんな逆風にあっても、本書を世に出そうとした、その心は、「一生好きなコトばかり、やって、やって、やり抜いて、楽しく暮らす方法を伝えたい」ということ。今の時代ですら、好きなことをやって生きている人は決して多くはなく、まだまだ理想や願望の中にあるわけですから、当時はどれだけ革新的であったことでしょうか。古いどころか、今の人たちこそ、読むべき一冊です。人として最高の精神と最大の健康技術を創り上げるべく、様々な角度、視点から楽しく書かれていて、非常に読み応えがあります。ユニークな「幸福テスト」も収録されています。
もちろん、精神面や考え方だけではなく、実用面も充実しています。
例えば「食物で病気を治す法」についても多くのページが割かれていて、かなり具体的に書いてあります。
今、何らかの身体の不調がある方には、きっと大きな助けとなることでしょう。心身両面からの効果が期待できるのが嬉しいところですね。
これがキッカケで人生が変わったとしても、何ら不思議はありません。それくらい魂のこもった一冊です。
ちなみに、本書におけるカナの使い方は、かなり特徴的です。他に類を見ないもので、最初は少々読みづらく感じるかもしれません。おそらく何らかの狙いなり、規則性なりが あるのだと思いますが、残念ながら僕には解読できませんでした。わかった方いましたら、是非教えてください(笑)
(月刊マクロビオティック2014年3月号「団長が紐解くG・Oの世界」より)
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団長/だんちょう
年間1,000冊以上の読書を楽しむ「本のソムリエ」として、ロックバンド「一里塚華劇団」のVo.& Guitar、ラジオDJ、作家等として世界30ヵ国で活躍中。
学校や図書館での読書講演や読み聞かせ、テレビや雑誌でのお勧め本紹介など、老若男女から幅広い人気を集める。
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